元民主党の懲りない面々
民主党政権の首相だった鳩山由紀夫氏が先ごろ、熊本県南部で豪雨被害が広がったことについて、ツイッターで「熊本などで豪雨が大水害をもたらし多くの命が奪われてしまった。地球温暖化が大規模な豪雨禍をもたらすと予測された通りだ」などと述べた。
しかし、今回の豪雨被害が多数出た球磨川の支流では九州最大級の「川辺川ダム」の建設を、鳩山政権が中止にしたのだ。他人事のように「多くの命が奪われた」という鳩山氏は、もし建設していれば少しでも人命を救うことはできたかもしれない、ほんの少しの反省もないらしい。
川辺川ダムは、1996年に国が洪水防止のための建設計画を発表。しかし、地元などで賛成派と反対派が対立し、建設計画が容易に進まなかったことは事実だ。その中で、蒲島郁夫知事が2008年に建設反対を表明し、09年に民主党政権が計画中止を打ち出し、今に至ったのだ。
鳩山氏はツイッターで「政府はあと10年で旧い石炭火発を休廃止すると決めた。一見良さそうだが、高効率でもCO2をかなり出す石炭火発は続けると言うことだ。この期に及んで人の命より大企業優先なのか」と批判しているが、民主党政権が川辺川ダムを中止したことなど忘れてしまったようだ。
建設反対を表明したとうの蒲島知事は、今回の災害を受け記者団に「ダムによらない治水を12年間できなかったことが非常に悔やまれる」と話しているが、建設を中止したのだから、ダム以外の手法があったのなら早急に実施すべきだったのだ。それをやらなかったのは、鳩山氏と蒲島知事の大きな過ちだ。
川辺川ダムと同様に事業を民主党政権が中止した群馬県の八ッ場ダムは、その後、中止が撤回された。昨年の台風19号では、試験湛水中だった同ダムの水位が急上昇し、10月13日には満水位に近づき、同日夕から放流するまでになった。八ッ場ダムの有効貯水量は9千万立方メートルとされるが、急激な降水がそのまま利根川の下流域に流れこまなかったわけだ。
さて、元民主党の懲りない面々と言えば、立憲民主党の枝野代表もそうだ。枝野氏は東京都知事選挙の投開票日だった5日、ツイッターで「18才で#宇都宮を離れてから仙台でも東京でも餃子専門店を探した」などと発信している。検索できるようにするハッシュタグは「宇都宮」になっており、立憲民主党が都知事選で支援した宇都宮健児氏を連想させる可能性があったとして、多くの批判を呼んだ。
都知事選の宇都宮候補を連想させるための投稿をしたかったからこそ、当日、熊本で大きな豪雨被害が出ているにもかかわらず、のんきな「宇都宮餃子」話を持ち出したのだろう。
(terracePRESS編集部)