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決して消えない安倍元首相の実績、功績

安倍元首相の突然の死去は、日本に衝撃を与えた。若者を含め多くの人たちが事件現場を訪れ献花している様子をみれば、安倍元首相が国民に愛されていたかが分かる。それは安倍元首相が政治家として、そして連続在任期間で歴代最長の首相として数々の実績を残してきたからにほかならない。

 

大規模な金融刺激策、財政支出の拡大、成長戦略からなる「3本の矢」からなるアベノミクスはバブル経済の後遺症であるデフレから脱却できない日本にとっては適切な政策だった。他の先進国でも金融刺激策をとり、景気の回復を成し遂げており、アベノミクス自体、批判されるべきものではない。

新型コロナウイルス感染症という予想外の出来事に足をすくわれたが、安倍政権のアベノミクスが日本の成長を促したことは確かだ。

 

成長戦略については国家戦略特区や地方創生など、数々の政策を打ち出した。成長戦略はすぐに結果が出るものではないが、こうした安倍政権の取り組みは、日本の構造を変革する必要性を国民に強く印象付けたし、それがやがて大樹に成長することが期待されている。

 

安倍元首相の功績から切っても切り離せないのが、国際社会の中で日本の地位を向上させた〝安倍外交〟だ。米国のトランプ米大統領(当時)とも個人的な関係を深め、特に日米同盟の強化に努めた。

圧倒的な経済力と軍事力を背景とした米国の〝世界の警察官〟の役割に陰りが見え始めたため、日本の防衛力の貢献による日米同盟の強化で日本の安全保障を確保するという戦略を構築した。

この一環として、安保法制を成立させ、日本の存立危機事態など限定的ながら集団的自衛権の行使を可能とした。

 

このほか外交では、安倍元首相が2016年に提唱した「自由で開かれたインド太平洋」を忘れてはならない。南シナ海の南沙諸島で国際法に違反する軍事拠点の設置など一方的な現状変更を重ねる中国を牽制し、インド太平洋地域の平和と安定を目指すという取り組みで、今では多くの民主主義国の共通理念となっている。

 

こうした安倍元首相の提唱が、日本、米国、オーストラリア、インドの4カ国による安全保障や経済を協議する枠組み(クアッド)の結成に結びついた。

 

また、憲法改正の必要性を高めたのも政治家としての安倍元首相の信念だ。戦後から現在まで日本の内外情勢が大きく変わったにも関わらず、1947年の施行から現在まで75年も見直されていないという現実を見据え、自衛隊に対する違憲論がある現状を変更したり、非常事態が発生した際の対応策を設けたりする必要性を国民に説いた功績は大きい。

 

安倍元首相は38歳で初当選し、自民党幹事長などを経て首相となり、日本の政界を駆け抜けた。日本の現在は、安倍氏の思い描く社会とはほど遠いかもしれないが、安倍氏が残した実績や功績は日本に大きなものをもたらせたことは間違いない。

 

(terracePRESS編集部)

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