もはや限界にきている立憲、共産などの野党
参院選は立憲民主党、共産党、国民民主党の3党の敗北が際立つ結果となった。新型コロナ対策や物価高対策など岸田政権がさまざまな対応をする中で、明確で合理的に対抗できる政策を打ち出せなかったのが敗北の要因だ。それでも各党は「訴えは浸透した」というような自画自賛的な自己評価が聞こえてくるが、野党の限界は露わになっている。
今回の参院選で立憲民主党は改選議席を6議席減らす17議席、共産は2議席減らす4議席、国民は2議席減らす5議席という結果となった。
立憲は比例代表でトップの座を維新に奪われる結果となったが、非改選を合わせた新勢力では39議席となり、野党第一党の座は死守している。
今回の選挙は、ロシアのウクライナ侵略などを契機とした物価の高騰という国民生活にとっては厳しい状況の中で行われたが、それでも野党は国民の信頼を得ることができないという野党としての存在意義さえ疑われる結果といえる。
立憲の泉代表は、この結果について「『生活安全保障』を打ち出し、『物価高と戦う』、この物価対策については各党よりも先んじてわれわれ立憲民主党が全国に訴え、それが主要な争点となってきた。われわれが安全保障政策も含めて現実的な政策を打ち出す政党であるということも一定浸透することになったのではないか」と自賛している。
その一方で「今の自民党の政治に対して不満はあれども、政権を任せられるだけの勢力と国民の皆さんから認知される勢力になりえなかったと痛感している」と述べているが、
なぜ政権を任せられると国民に認知されないのかという分析はまったくみられない。
自分たちの政策は間違っていないが、国民の信頼はまだ得られていないと言いたのだろうが、消費税の5%減税など、その政策が非現実的なことは明らかだ。
新型コロナ対策として2020年に国民1人あたり一律10万円の「特別定額給付金」が支給されたが、これは消費税を5%減税したのと一緒だ。減税しなくとも、同様な措置はとれたのだ。票目当てに減税を口にすれば国民に受け入れられると判断している政党は、信頼されない。
共産党の志位委員長も記者会見で「今度の選挙での日本共産党の政治的訴えは、国民の願いに立ったものであって、訴えが伝わったところでは、共感が広がったと実感している」と自画自賛している。
「共感が広がったのならなぜ議席を減らしたのか」と問われるところだが、そうした唯我独尊的な部分が国民に受け入れられないところであることは理解できないようだ。
立憲の泉代表は「現実的な政策を打ち出す政党」と称しているが、立憲や共産が提示する政策が現実的ではないことは、国民は見通し、口先だけの政治への懸念も持っている。
かつての民主党政権の失敗を国民は忘れていないが、国民は、その民主党を源流とする立憲が旧民主党と何も変わっていないことに気づいているのだ。
共産党は変わりようがないだろうが、立憲や国民民主は真の政策提案型の政党に脱皮しない限り、限界は明らかだ。
(terracePRESS編集部)