コクピットには絶対乗れない野党
国民民主党の原口一博国対委員長が18日の国民民主や立憲民主党などの衆院会派の会合で、安倍内閣について「言い方は悪いが、コックピットに『日光さる軍団』のお猿さん、そういう人たちが乗っていたら、コックピットから降りろって言いますよね」と述べたという。
原口氏は発言直後に、「安倍首相が猿だとは私、絶対に言いませんけど」と続けたが、国民民主、立憲民主などの出席した会派所属議員から笑いが漏れたほか、立憲民主の川内博史衆院議員は「猿に失礼だ」と合いの手を入れたという。
政府、自治体、国民などが新型コロナウイルス感染症の拡大防止に懸命に取り組んでいる中で、こうした発言をするとは、野党議員が、懸命に感染対策を実行している政府と国民から遊離し、緊張感も欠如し、ただ単に政権批判をすればよいと考えている証拠だろう。
これまで野党は、政府内や自民党議員が軽口をたたくと、針小棒大に責任論まで口にし、メディアもその尻馬に乗って、政府、与党批判に興じるが、今回はほとんど扱いもしない。
そもそも、野党というのはお気楽な立場だ。自らはまともな政策を提言もしないまま、政権批判だけは声高にするのだ。
今回の新型コロナウイルス感染症の拡大防止策などによる経済対策として国民民主党は先ごろ、「『家計第一』の緊急経済対策」と銘打ち、30兆円規模の対策を策定した。とはいっても、①10兆円の家計減税(消費税率を10%から5%への1年半程度の時限的半減)②全ての国民への10万円の給付③個人事業主を含めた中小・小規模事業者の経済的損失補填―を3本柱としているだけで、詳細は明らかになっていない。
換言すれば、詳細すら明らかにしないまま、3本柱を作文したというわけだ。もちろん、財源も不明だ。そして、30兆円の対策を策定したということだけを有権者にアピールするということなのだろう。
これに対し政府は、さまざまな点に配慮して対策を策定する義務を負う。国の財政状況を考慮しながら実効性のある対策を策定しなければならない。
国民民主党のように家計、中小企業という票になりやすいところだけ訴求すればよいという訳にはいかず、日本経済の今後をにらみながら、苦境に陥っている大企業への対策も必要だろう。その一方で、給食の停止の影響を受けた農業者への配慮も必要かもしれない。
そのため政府は19日から順次、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける産業、企業、個人らからヒアリングも実施している。
政府の策定する経済対策は、単なる作文ではないのだ。ここが野党の提案とは異なるところだ。
野党が「対策を策定した」といっても、それがいつものように空疎である限り、コクピットに座ることは絶対できないだろう。
(terracePRESS編集部)