現実と向き合わない玉城デニー氏

沖縄県知事選でオール沖縄の支援を受けた玉城デニー氏は知事選で、米軍普天間飛行場の移設の条件となる名護市辺野古の飛行場建設に反対するとともに、2019年2月までの普天間の運用停止や閉鎖・返還を求めるという。

 

普天間の運用停止は、沖縄県の仲井真弘多前知事が2013年12月、沖縄政策協議会で安倍晋三首相に要請したもので、仲井真氏が辺野古の埋め立てを承認する事実上の前提条件の一つ。2014年4月に普天間飛行場負担軽減推進作業部会で運用停止期限が19年2月に設定されたものだ。

 

それに基づいて玉城氏は2019年2月までの普天間の運用停止や閉鎖・返還を求めるとしているのだろう。「政府が知事と約束したものだから順守するのが当然」ということなのだろう。しかし、仲井真知事は同時に、辺野古の埋め立ても承認したのである。

 

もちろん、辺野古の代替施設の建設は当初から2019年2月には完了しないことが予定されていて、運用停止は工事とは切り離したものなのだろうが、それでも前提にあるのは、辺野古の工事の順調な進展であるはずだ。

 

当然のことながら、政府は、運用停止は困難だという立場だ。2017年2月14日には、安倍首相が衆院予算委で「残念ながら翁長雄志知事に協力していただいていない。難しい状況だ」と述べている。

 

玉城氏もこうした状況にあることは百も承知だろう。当時の仲井真氏の姿勢とは異なり、

沖縄県も、玉城氏も現在、辺野古の工事を認めないという立場なのだ。2019年2月にそのまま運用停止になるとは考えていないだろう。

 

しかし、玉城氏はその見通しには何も言及していない。仮に運用停止ができなかった場合、どのように普天間の返還を実現するのか、具体策を述べるのが筋だろう。それも「いつまでに」という期限を明示しなければ政策ではない。

 

もちろん、玉城氏はそうした見通し、具体策を語ることができないことは分かっているだろう。なぜならば、運用停止や返還は沖縄県で解決できる問題ではなく、日米両政府の交渉によってはじめて決定する話だ。

 

だからこそ、玉城氏は「2019年2月までの運用停止や閉鎖・返還を求める」ということしか言えないのだ。

 

普天間飛行場の固定化を回避し、近隣住民の安全を確保するために沖縄県でできることは、辺野古での代替飛行場の工事の反対活動を停止することしかないのだ。それをやるのが、県民の安全を確保する責務がある知事の仕事となるはずだ。