安倍首相の一流外交の継続こそ必要

自民党の総裁選は事実上、首相を選ぶ選挙となる。憲法改正や地方の活性化など内政問題に関心が集まりがちだが、選ばれた総裁が首相となるわけだから、外交へのスタンスも問われることになる。

 

外交と言えば、首相は総裁選中の9月10日から13日までロシアのウラジオストクで開かれる「東方経済フォーラム」に出席する。そこで、プーチン大統領と首脳会談を行うほか、現在、中国の習近平国家主席らと会談する方向で調整しているという。

首相は日ロ首脳会談で「北方四島における共同経済活動や元島民のための人道的措置について、胸襟を開いて議論して平和条約締結を前進させる決意だ」と述べており、北方領土問題の打開を図りたい考えだ。

 

また現在、日中関係の関係改善も課題となっており、習近平国家主席との首脳会談が実現すれば、関係改善も前進することが期待されている。

 

総裁選の最中のウラジオストク訪問は、それだけ安倍首相が外交に力を入れているという証明でもある。資源の乏しい日本は、貿易という国際社会の中で生きていくしかない。そのため、多くの国と良好な関係を構築することが、日本の成長に不可欠だ。

また、平和憲法を持っている日本は、孤立主義的に日本のみが平和を享受するのではなく、国際社会の平和、安定に寄与しなければならない。その起点が外交だ。

 

その点、安倍首相ほど精力的に外交をこなしている首相はいない。稀有な政治家であり、首相だ。これまでの安倍首相の外交を振り返ると、驚くべき足跡だ。

 

第2次安倍政権のスタート後、2013年1月16日~19日のベトナム、タイ、インドネシアの東南アジア訪問を皮切りに、2018年6月の米国・G7シャルルボワ・サミット(カナダ)まで、安倍首相の外遊は実に65回を数える。訪問国・地域は76に達している。ほぼ、毎月1回、外国を訪問しているような状況だ。

 

時には、過密日程をこなして、外交の実績を上げている。例えば、2015年の10月22日から28日まで「モンゴルと中央アジア5カ国」、11月1日から2日が「日中韓サミット(韓国)」、11月13日から17日が「トルコとG20アンタルヤ・サミット」、11月29日から12月2日が「COP21首脳会合(仏)とルクセンブルク」、12月11日から13日「インド」―といった具合だ。脂が乗り切った国際ビジネスマンでも音を上げるような日程ではないだろうか。

また、外交は海外訪問だけではない。安倍首相とトランプ米大統領は、たびたび電話会談を行っていることは知られているが、電話会談している相手はもちろんトランプだけではない。

今年に入って電話首脳会談をした外国の首脳はトランプ氏を除いてメキシコ、オランダ、イギリス、ドイツ、ロシア、カナダ、オーストラリア、韓国、中国、インド、トルコ、EU、フランスなどだ。

 

こうした実績を積んだからこそ、安倍首相はトランプ大統領をはじめとする海外の首脳からも頼りにされるのだろう。歴代首相のうち、果たして安倍首相ほど海外の首脳と胸を張って渡り合える首相がいただろうか。

 

安倍首相の外交力は、現在の日本にとって重要な〝政治資源〟と言える。この一流の外交力を、日本はまだまだ活用すべきだろう。