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2020.08.25

なぜ安倍政権は歴代最長になったか

安倍首相の連続在職日数が、大叔父の佐藤栄作元首相の2798日を抜いて歴代最長となった。2012年12月の衆院選で圧勝し、民主党から政権を奪還。これまで、アベノミクスを旗印にした経済の再生や安倍外交の展開など、これまでの政権ではなしえなかった実績を残している。世界各国が直面した未曽有の新型コロナウイルス感染症では、安倍政権の支持率が低下しているが、官民の協力もあり先進各国の中ではうまく対処しているのが現実だ。

 

佐藤政権と比較すると、安定した党内基盤、野党の脆弱さが長期政権の背景にあるという点では同じだ。しかし、異なるのは経済情勢だろう。佐藤政権は、前任の池田政権に引き続き高度経済成長を定着させるという使命を担っていた。

経済は労働力(人口増加)と機械・工場などの資本ストック、技術革新の3つの要素で成長するが、佐藤政権の高度経済成長期はまさにそれらの要素がすべてプラスに作用し、世界が驚くような自律的な経済成長を遂げていた時代だ。

人々は今日より明日の生活が良くなる、消費をすることが生活を豊かにすることだと信じ、人口は右肩上がりに増え、日本人の技術は成長をけん引した。

 

もちろん高度成長の負の側面もあったが、日本が高度成長の時代であったことが佐藤首相が長期政権を維持できた要因であったことは間違いない。

 

これに対し、現在の安倍政権が政権をスタートさせたのは2012年12月。日本は1991年3月のバブル崩壊以降、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災など超ド級の出来事があり、デフレ経済からの脱却が困難だった。そこに2009年からの民主党政権の経済政策の失敗もあり、困難な状況の中で政権をスタートさせたことになる。

経済面をみれば、佐藤政権がプラスからのスタートだったことに対し、安倍政権はマイナスからの船出だったわけだ。

 

そのため安倍首相が打ち出したのがアベノミクスで「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「成長戦略」の「3本の矢」でデフレからの脱却と持続的な経済成長を目指した。その結果、デフレ状態ではなくなったし、長期の経済成長も実現した。

 

高度成長期と違って、すでに欧米へのキャッチアップは果たした日本は、既存製品の改良型技術ではなく独走型の技術開発が求められるようになったし、個人のし好も多様化しており、〝マス〟が通用しない時代の経済政策は極めて難しい。その中で、長期の景気拡大期を実現させた安倍政権の実績は評価されるべきだ。実績があるからこそ、安倍政権は長期化しているのだ。

 

現在、新型コロナウイルス感染症対策と経済の両立が安倍政権の課題となっている。先進国ではどの国もその難しさに直面している。感染者、死亡者が出たのも、経済が低迷したのも、新型コロナという未知のウイルスが引き起こしたものだが、政府、自治体、国民が協力し、他の先進国のような事態を回避していることも国民は認識する必要があるだろう。

 

(terracePRESS編集部)

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