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CATEGORY経済

2020.09.01

「Go To トラベル」効果、事実は事実として評価すべき

新型コロナウイルス感染症をめぐる観光事業支援の経済対策としてスタートした政府の「Go To トラベル」事業は、割引商品の販売を始めた7月27日から8月20日までで、少なくとも延べ約420万人が利用したという。観光地別の利用率など明らかになっていないが、地域経済を支える観光業の支援として順調なスタートとなった。しかしメディアは早くも「効果に疑問」などと恣意的なネガティブ報道をしている。メディアであるならば事実についてはきちんと評価すべきだろう。

 

「Go To トラベル」の利用者については菅官房長官が先に「延べ200万人」と発表していたが、これは大手旅行会社などに限定して13日までの利用者を調べたもので、延べ約420万人は、国土交通省が25日、大手に加え中小旅行会社も含めた事業者を調査し、期間も20日まで延ばしてまとめたものだ。

約420万人という数字について赤羽国土交通相は「7、8月はそれなりに効果があった」と強調している。

 

しかし、「効果は疑問」と伝えるメディアもある。朝日新聞は「GoTo利用者、お盆含め420万人 効果に疑問の声も」との見出しで報じている。確かに、記事は朝日新聞が「疑問」と断定しているのではなく、「野党などからは疑問視する声も相次いだ」として、25日に開かれた野党合同ヒアリングで出された野党の意見を伝える形をとっている。

 

だが、記事はその野党合同ヒアリングの模様を「感染を恐れて旅行を控える人が多く、効果は限定的だったのではないかという指摘や、中小事業者には利点が少なく、大手に恩恵が偏っているのではないか、といった批判も出た」としている。「効果は限定的だったのではないか…」「恩恵が偏っているのではないか…」などと疑問形の指摘なのだが、その疑問視にどの程度根拠があるかも分からずに、朝日新聞はそのまま伝えているのだ。

確かに記事の見出しは「効果に疑問の声も」だが、根拠不明の意見をそのまま記事にするのは、メディアとしての姿勢が問われるところだ。

 

そもそも「Go To トラベル」は新型コロナの感染防止と地域経済を両立させるために行っている経済対策だ。もちろんそれによって感染者を出すリスクがないとはいえない。

事実、千葉県勝浦市内の「Go Toトラベル」の割引対象に登録されていた旅館でクラスターが発生した事例もある。だが、そうしたリスクと地域経済のけん引役として重要な観光事業への支援を両立させることは不可欠だ。

 

「Go Toトラベル」の経済効果を単純に考えれば、もし1人が宿泊代に飲食費や交通費などを含め1万円を消費していたとすれば、1カ月の420万人の消費額は420億円ということになる。利用者が今後も拡大すれば、この消費額はさらに増大する。

こうした事実があるにも関わらず「効果に疑問の声」と伝える朝日新聞は、何らかの意図を持っているのだろう。

 

(terracePRESS編集部)

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