批判されるべきは与党なのか?
安倍新内閣が発足し、臨時国会が月内にもスタートする。臨時国会では災害対策の補正予算のほか、外国人労働者の受け入れ拡大に向けた入管法の改正案も提出される見込みという。
朝日新聞は5日付けの朝刊で、臨時国会に向けて野党が「森友学園の決裁文書改ざん問題の政治責任を問われた麻生太郎財務相や、教育勅語を一部評価するとの発言をした柴山昌彦文部科学相ら、閣僚の資質について厳しく追及する方針だ」と指摘している。
野党も野党だが、朝日新聞はこうした野党の姿勢が、日本の政治を停滞させることになるとは考えないのだろうか。「災害対策の在り方について厳しく政府を追及する」ならまだ理解できるが、「閣僚の資質について厳しく追及する」のだというのだ。
まあ、野党がそうした姿勢であるならば、それを伝えるのがメディアの役割だから、朝日新聞が思考停止状態で、野党の言い分をそのまま書くとしたら、それも致し方ないのかもしれない。
しかし、驚くべきことに、メディアも同様な思考をしているのだ。毎日新聞は3日付け朝刊で「安倍内閣の新布陣 長期的課題が担えるか」と題した社説を掲載。そこでは「片山さつき地方創生担当相は、貧困家庭の子どもを中傷するようなツイートをして物議をかもしたことがある」「桜田義孝五輪担当相も『慰安婦はビジネスだ』との発言を批判されて撤回しており」などと指摘しているのだ。野党と同様に、閣僚の資質を問うているのだ。
閣僚の資質は、所管する省庁でリーダーシップを発揮し、政策課題に積極的に取り組み、国民の福利や生命財産の確保ができているかどうかによって問われるものである。メディアであれば、その最低限の常識は持っていなければいけない。
仮に、野党が、閣僚の過去の言動などをあげつらって資質を問うというのなら、それをいさめるのがメディアの役割ではないのか。国会で、与野党が建設的で前向きな議論をするよう求めるのが、メディアの正しい姿勢だ。
日本の政治を悪くしているのは、ここで指摘したように朝日新聞や毎日新聞のような質の悪いメディアと野党だ。その影響を受ける国民こそいい迷惑であることを忘れてはいけない。