国難に向かう安倍政権

第4次安倍晋三内閣が発足した。首相は記者会見で「平成のその先の時代に向かって新しい国づくりの力強いスタートを切る」「未来をしっかりと見据えながら、新しい国づくりを力強く進めていく。そのためには、新しい発想力を持った次の時代を担う皆さん、華やかな表舞台の裏で地道に能力の研さんに努めてきた皆さんに、できるだけ多くのチャンスをつくっていくべき」と述べ、「明日(あす)の時代を切り開くための全員野球内閣」と位置づけている。

 

このような安倍内閣への期待は?と問われれば、真っ先に指摘しなければならないのが、少子高齢化対策だろう。安倍首相も「我が国が直面する最大の課題は、国難とも呼ぶべき少子高齢化だ」と述べている。

 

あらためて指摘するまでもないが、2015年に1 億2,709 万人だった日本の総人口は、出生、死亡とも中位で推計すると2040年の1 億1,092 万人を経て、2053年には1 億人を割って9,924 万人となる。

2053年などというととても先のように感じられるが、今の子供たちがまだまだ社会の中心で働いていることだろう。

65歳以上の高齢者はどうかというと、2036年に33.3%で3人に1人となり、2065年には38.4%、つまり2.6 人に1人が高齢者ということになる。生産人口が減っていく中で、高齢者が増大していく。安倍首相はまさにこの点を「国難」と位置付けているわけだが、その指摘通りだ。

 

もちろん、生産人口の減少はIoTやAIの活用でカバーすることも一定程度可能だろう。しかし、お年寄りばかりの社会で仕事デジタルにすべて任せれば大丈夫と考える人がいるとすれば、相当な想像力を持った人間か、まったく持たない人間かのどちらかだろう。

 

首相は、少子高齢化に対して「これに真正面から立ち向かい、全ての世代が安心できる社会保障制度へと改革を進めていく」と述べている。子供を安心して産み、育てられる社会を今こそ作る必要がある。

 

少子化対策は非常に困難で、今後、日本にとって大きな足かせになるだろう。今年生まれた赤ん坊が生産年齢に達するのは15年後。最近は、中学卒業で就職する人はあまりいないから、18年後とか、大学に進学するのなら社会に出るのは22年後だ。それほど時間がかかるのである。

 

メディアは改造内閣を「派閥均衡」「改憲シフト」「論功行賞」などと指摘しているが、安倍政権が背負っているものは、メディアが考えるよりもずっと日本の未来にとって重い課題なのである。