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2020.09.18

パフォーマンスでしかない枝野氏への投票

今回の首班指名は、国難ともいえる状況の中で菅義偉氏を第99代の首相に選出した。しかし、もう一つ注目すべきことがあった。立憲民主党の枝野代表が衆院で134票、参院で78票を獲得したことだ。共産党や国民民主党の議員が枝野代表に投票したことになるが、そこには政策のすり合わせはない。首班指名を舞台にただ存在感を示すだけという国民を愚弄するパフォーマンスでしかない。

 

今回の首相指名選挙に先立ち、枝野氏が共産党の志位委員長に自身に投票するよう要請した結果、共産党の枝野氏への投票が実現した。共産党が他党の党首に投票するのは1998年の民主党の菅直人代表への投票依頼、22年ぶりのことだった。

しかし、この投票は、立憲民主党と共産党が政策のすり合わせをした結果ではない。枝野氏の要請に応えたということだけのことだ。

 

国民民主党に至っては、つい先日まですったもんだした合流話で、立憲民主党の政策を是としない議員らが新しく作った政党だ。こちらも当然、政策の合意などはない。

 

言うまでもないが、首相は衆参両院の議決で指名する。投票で過半数を得た議員が首相に指名されるが、1回目の投票で過半数を得た議員がいなかった場合は、獲得票数の上位2人で決選投票を実施する。

 

もちろん、今回の首班指名は、国会の状況をみれば枝野氏が指名されることは100%なかったわけだ。

しかし、万が一枝野氏が指名されるような事態になったら、どのような内閣になるのかすらも分からないまま大混乱に陥ったはずだ。

立憲民主党と国民民主党は原発政策でも憲法改正でもスタンスが異なる。それが現在の国民民主党ができた理由と言ってもよいほどだ。この2党と共産党とでは、日米安保をめぐる考え方も異なっている。

また、共産党は連合政権を望むだろうが、現実的に立憲民主党や国民民主党が連合政権を容認することについて、少なくとも積極的ではないだろう。

 

仮に枝野氏が指名されたら、内閣を作るためのそうした調整が不可欠になる。しかし、事前にそうした調整はしないまま、立憲、国民、共産各党の議員らは枝野氏へ投票したのだ。

 

結局、指名されないことは予定調和で、だから枝野氏は安心して共産党に投票を要請したのだろう。しかし、それはあまりにも国民を愚弄したやり方ではないか。指名されないことをいいことに、各党が基本政策さえも一致させないまま、投票だけは足並みをそろえようというのだ。こうした野党では政策を語る資格もないだろう。

 

(terracePRESS編集部)

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