予測つかない国際情勢への備えを

米中の対立が激化している。米国のポンペオ国務長官は先ごろ、中国の王毅国務委員兼外相らと会談。報道などによると、王氏は会談で「最近の米国は貿易摩擦をエスカレートさせると同時に、台湾などの問題でも中国の権益を損ねる行動を取っている。さらに中国の内外政策を意味もなく非難している」「こうした言動が相互信頼に影響を与え、中米関係の先行きに影を落とす。両国の利益に完全に矛盾している」と強い調子でポンペオ氏に釘を刺したという。

 

米中間をめぐっては、中国が実効支配する南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島付近で中国軍の艦船が米軍艦に異常接近し、衝突寸前だったことも明らかになっている。

 

今後、米中間の貿易摩擦が激化していくのか、沈静化するのか、予断は許さないが、少なくとも10年もすれば中国が米国の経済を上回るとの予測もある中で、今後、沈静化するというシナリオは考えにくい。

 

重要なのは、米中の緊張が激化する中で、日本がどう対応するべきかということだろう。どのように対応するべきか、というより、対応できるのか否か、ということかもしれない。

 

現在の安倍内閣は、極めて危機管理に長けている。危機管理には強いリーダーシップが必要だが、逆説的かもしれないが、安倍首相は〝安倍1強〟と言われるほどだ。強いリーダーシップがあることは間違いない。

しかし、リーダーシップと言っても、福島原発事故の際の菅首相のように、スタンドプレー的であってはいけないし、独走してもいけない。独善的でもいけない。それをわきまえてリーダーシップを発揮することが重要だ。

 

また、菅官房長官は危機管理が常に念頭にあり、自宅にさえ帰らないという。河野外相の評判も極めて高い。危機が発生した際に、どのように国益を守るのか、どのように国民の生命、財産を守るのか。これまでの内閣の中で、危機管理能力が問われるということは、そうそうなかったかもしれないが、安倍内閣の危機管理能力の高さは、過去の政権を振り返っても、その対応力の高さは抜群だろう。

 

もちろん、危機に備えるということは、平時から行うことである。何も危機発生後にすみやかに首相官邸で会議を開いたからいいとか、いけないということだけではない。「もし、米中が武力衝突にまで発展したらどうするのか」「もし、大規模な地震が日本を再び襲ったらどうするのか」「もし、北朝鮮が再びミサイルを発射したらどうするのか」といったさまざまなテーマがあるし、それによって法整備も必要だし、社会資本の整備も必要だ。そういう点では、平時の政治を着実に進めることが、危機管理能力を高めるということにつながる。