野合目指す共産の野党共闘

共産党の志位委員長が13日に開催した第5回中央委員会総会の演説で「安倍政治を終わらせる」などとぶち上げた。

 

志位委員長は「安倍政権を倒しても、自民党の中での『内閣たらいまわし』ですませるわけには断じていかない。強権と堕落の安倍政権を6年も支えてきたという点では、自民党も同罪。自民党政治そのものを終わらせて、本当の意味での政権交代をはかる――この大志をもってたたかうことが、いまの政治の閉塞打破を願う多くの国民の思いにこたえる道ではないか。参議院選挙をその第一歩にしていこう」などと呼び掛けた。

これは、参院選を政権交代の第一歩と位置付ける、ということだろう。

 

もちろん、共産党が単独で政権を取るなどという非現実的なことを妄想しているのではなく、その視野にあるのは野党共闘だ。現段階では、野党が共闘して政権を奪回するということも妄想に近いものがあるが、現実的な選択肢としては論理的にはあり得る考えだ。

 

事実、志位氏は演説で「国政5野党・1会派がそろって『オール沖縄』に連帯して知事選をたたかったことは、重要な前進。『オール沖縄』の勝利は、全国の市民と野党の共闘にとっても、大きな希望を与えている」などと沖縄知事選での野党共闘が成功したことを強調した上で、参院選について「歴史的意義をもつ戦いとなる」と位置づけ、「非改選議席を含めた参議院全体で少数に追い込み、与野党逆転を勝ち取る。それをやりきるカギは二つで、一つは、市民と野党の『本気の共闘』の成功。来年改選となる全国32の1人区のうち自民党は31議席を持っている。『本気の共闘』を作りだすことができれば、大規模な変動が可能となる。いま一つは、日本共産党の躍進だ」などと語っている。

 

志位氏の言うように、野党共闘を中核として、参院で与野党逆転を図るというロジックは理解できないことはない。しかし、参院選を政権交代の第一歩となる選挙と位置付けるならば、参院選であっても、共闘する野党が政権構想を示さない限り、国民に対してあまりにも無責任なふるまいというほかはない。国民をだますことにもなりかねない。

 

改めて指摘するまでもないが、共産党は社会主義、共産主義を掲げる政党だ。綱領で「生産手段の社会化」をうたっているが、生産手段を社会化した国は自由も民主主義もなくなるのだ。共産党は、そのことは隠して「野党共闘で与野党逆転」などと主張して、国民を欺いているのだ。

立憲民主党と国民民主党、連合は先ごろ、参院選に向けて連携を確認する覚書を交わしている。まだ今後、候補者調整で波乱がありそうだが、ここにもし共産党が入ってくるようなことがあれば、立憲民主党も国民民主党も反民主主義政党と同じということになるだろう。

 

志位委員長は「政党が責任をもって政党間の真剣な協議を行うことがどうしても必要」と述べているが、政治理念が異なる政党の共闘は無責任な野合でしかない。