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2021.12.07

動き出した「デジタル田園都市国家構想」

「新しい資本主義」と並び岸田首相の看板政策となるのが「デジタル田園都市国家構想」だ。すでに岸田首相を議長とする「デジタル田園都市国家構想実現会議」が開催されているほか、2021年度補正予算でも実現に向けた財政措置が盛り込まれるなどスタートしている。同構想は「新しい資本主義」とともに日本を変える起爆剤となる。

 

「デジタル田園都市国家構想」は、地方からデジタルの実装を進め、地方と都市の差を縮め、都市の活力と地方のゆとりの両方を享受できる社会の構築を目指すものだ。

 

東京圏への転入超過は2011年以降、増加傾向にあったが、新型コロナウイルス感染症を契機に2020年はマイナス4.8万人と大幅な減少に転じている。転入超過というトレンドは変わらないが、その背景には、仕事や収入、教育や子育て、医療の充実など地方の抱えるさまざまな課題がある。

 

このため、地方では「仕事の確保」や「成長産業の創出」「交通・物流の確保」「教育機会の充実」「医療・福祉の充実」「文化・娯楽の充実」などの解決が求められるが、デジタル技術を活用して、そのような地方のさまざまな課題の解決を図り、地方と都市の差を縮めるのが「デジタル田園都市国家構想」だ。

 

岸田首相は首相就任後の所信表明演説で「これまで進んでこなかったデジタル化が急速に進むなど、社会が変わっていく確かな予感が生まれている。今こそ、科学技術の恩恵を取り込み、コロナとの共生を前提とした、新しい社会を創り上げていくとき。この変革は、地方から起こる」と強調している。

 

こうした課題を解決するためにはテレワークの推進など地方での仕事の確保や、地域ビッグデータの活用やスマート農業などによる成長産業の創出、(地域ビッグデータの活用等による新産業の創出、スマート農業など)、MaaSの推進やドローンの活用、情報コードの統一化などの物流の確保といったデジタル施策の推進が不可欠となる。

 

もちろん、「デジタル田園都市国家構想」などで地方の活性化を実現するためにはデジタル施策の推進だけではなく、社会インフラの整備との連携も不可欠となる。例えば、まちなかへの住まいや都市機能を集約するコンパクトシティーも、地域公共交通との連携など「コンパクト・プラス・ネットワーク」推進が進められている。

 

国土交通省は2021年6月に2050年までの国土の姿を描いた「国土の長期展望」をまとめ、「デジタルを前提とした国土の再構築」を謳っている。この長期展望を踏まえて、新たな国土計画を前倒しで検討し、来年初夏に中間とりまとめを策定する見込みで、デジタル時代に合わせたインフラ整備を加速させる考えだ。

 

また地方行政のデジタル化も不可欠で、総務省は5G基地局の早期全国展開や光ファイバ未整備世帯の縮減、自治体情報システムの標準化や共通化の推進などのほか、地方自治体に対して、地域情報化アドバイザーの派遣や地方自治体のデジタル化のためのCIO補佐官の確保支援など、デジタル人材の育成や確保を進める考えだ。

 

(terracePRESS編集部)

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