政権担当能力のなさ示す立憲民主の支持率
菅内閣の支持率が低迷している。メディアも大きく扱っているが、ほとんど注目されていないニュースもある。立憲民主党の支持率だ。メディアが一方的に洪水のような菅政権批判を垂れ流し、立憲から見ればいわば〝敵失〟の状況なのに、支持率はほとんど変わっていない。もちろん、野党の中では最も支持されているが、支持率の低迷は国民が立憲民主党を信頼するに値しない政党と考えている証拠だろう。
自民党の伊吹文明元衆院議長は21日の会合で「ワクチンや治療薬ができるまでは、誰が首相でも国民のいら立ちを止めるのは難しい。乱れることなく対応しよう」と述べた。
事実、伊吹氏の言う「国民のいら立ち」があることは、内閣支持率の低迷に表れている。読売新聞社が1月15~17日に実施した全国世論調査では、菅内閣の支持率は39%、不支持率は49%となっている。支持率の下落は3回連続で、今回の調査で初めて不支持が支持を逆転した。感染の拡大に加え、情報発信の不足などで国民にきちんと説明できていないことなどが「いら立ち」につながったのだろう。
では、政党支持率はどうだろうか。同調査によると自民党が37%で前回調査より1ポイントの低下で、これに対し立憲民主党は5%で前回より2ポイント高まっている。1、2ポイントの増減はほぼ横ばいと考えられる。
国民の「いら立ち」が菅内閣への期待の低下となったにも関わらず、それが立憲への期待につながっていない。立憲の枝野代表は「政権担当能力」があることを示すと常々語っているが、国民は政権担当能力があるとは判断していない。
一方的な批判、批判のための批判を繰り返し、政権の信頼を失わせることだけ戦略するような政党は信頼に値しないのは当然だ。一部分だけを切り取って政権批判するような政党が、政策担当能力などあるはずはないのだ。
一つの政策を実行するためには、さまざまな観点から検討しなければならない。例えば国民1人当たり10万円を支給する「特別定額給付金」のような場合、大まかに言って消費税を1年間5%引き下げた分の原資が必要となる。もちろんそれは国債で賄うのだが、それは将来世代が負担することとなる。そうしたことを常に勘案しながらバランスを取る政策を行うのが「政権担当能力」だ。
枝野代表は代表演説で、政府の新型コロナ対策を問う際に、国内での感染封じ込めと経済も順調に回復しているニュージーランドと台湾の事例を取り上げたが、米国、インド、ブラジル、ロシア、英国、フランス、イタリア、スペインなど感染が拡大した国は、いずれも人口や経済の規模がある国で、だからこそ感染拡大の阻止が困難になっている。人口も経済規模も全く異なる国を事例に出し、日本に当てはめようとすることは、まさに机上の空論に過ぎないのだ。
立憲民主党が〝敵失〟状況の中で、支持率を拡大できないのは、国民がそのような立憲民主党の本質を見抜いているからにほかならない。
(terracePRESS編集部)