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日本の異常さ浮き彫りにした国葬反対論

安倍元首相の国葬が先ごろ執り行われた。国葬には海外からも多くの要人が参列したほか、テレビ中継された国葬を見ながら心の中で哀悼の意を表した人も多かっただろう。当然のことながら国民が弔意を強制されることもなかった。国葬を巡っては共産党や立憲民主党などの〝政治利用〟やそれに乗せられたメディアの反対論などこの国の異常さも浮き彫りにした。

 

「日本よ、日本人よ、世界の真ん中で咲きほこれ」。菅前首相は弔辞で、安倍元首相の口癖を紹介し、「総理、あなたは、今日よりも、明日の方が良くなる日本を創りたい。若い人たちに希望を持たせたいという、強い信念を持ち、毎日、毎日、国民に語りかけておられた」と語りかけた。

 

そして菅氏は最後に、安倍元首相の議員会館に読みかけの一冊の本があり、読んでいたと思われるページの一節、マーカーペンでしるしが付けられていた山県有朋が先だった伊藤博文を偲んで詠んだ「かたりあひて 尽しゝ人は 先立ちぬ 今より後の 世をいかにせむ」を2回読んだ。

 

国葬当日には国会議事堂前などで反対派がデモを行い、共産党の志位委員長らが参加している。「国民の内心を制約する」「多額の税金を使うことは筋が通らない」などと口にしていたが、当然ながら内心を制約することはなかったし、国葬の適法性はすでに裁判所が判断している。

 

新聞各紙は揃って国葬が行われた28日付け朝刊の社説で取り上げているが、ここでも日本の異常さが浮き彫りになっている。朝日新聞は「安倍氏『国葬』 分断深めた首相の独断」と題し、「社会の分断を深め、この国の民主主義に禍根を残したというほかない」などと主張した。社説の中に朝日新聞としての「弔意」を示していないのは、そういう新聞だから仕方がないのだろう。

 

その上で「この国の民主主義に禍根を残したというほかない」「首相による国葬の『私物化』と評されても仕方あるまい」「国葬が安倍政権に対する評価を定め、自由な論評を封じることがあってはならないことを、改めて確認したい」などと論じている。

 

安倍元首相の国葬が日本の民主主義を揺るがすほど、日本の民主主義は薄っぺらではないし、「自由な論評を封じることがあってはならない」などと国民をミスリードすることが新聞の役割ではないだろう。

 

一方、読売新聞は「安倍元首相国葬 功績たたえ多くの人が悼んだ」と題した社説の冒頭で「海外から多くの要人が来日し、安倍晋三元首相を悼んでくれたのは、日本人にとってありがたいことではないか。改めて哀悼の意を表したい」と述べた。

 

その上で「立憲民主党や共産党は、国葬について『内心の自由を侵す。憲法違反だ』と批判した。だが、国葬への賛否も、弔意の表明も自由に行われたではないか。誰の内心の自由が侵されたと言うのか」「野党は『安倍氏の政治的評価が定まっていない』と主張するが、どんな歴史的人物でも評価に異論を唱える人がいる。時間をかければ定まるものでもない」と、明確に国葬反対論の根拠のなさを指摘している。

 

「日本よ、日本人よ、世界の真ん中で咲きほこれ」との安倍元首相の想いを国民がどう受け継ぎ、今日よりも、明日の方が良くなる日本社会をつくるのか、国葬後はそこが問われていくのだろう。

 

(terracePRESS編集部)

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