国民や事業者支えた新型コロナ対策
新型コロナウイルス感染症の拡大で、政府は2020年度に策定した経済対策や3次にわたる補正予算で、感染拡大の防止や医療体制整備、事業者への支援などさまざまな対策を実施してきた。メディアは影響を受ける国民や事業者の声ばかり伝えるが、そうした支援策がどのような実績を残したかはほとんど報じない。しかし、各種施策は着実に行われ、コロナ対策として国民や事業者の生活や活動を支えている。
新型コロナ感染症の拡大を受け、政府は2020年4月、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策~国民の命と生活を守り抜き、経済再生へ~」、12月には「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」をそれぞれ策定している。
こうした経済対策に基づいて補正予算も第3次まで編成されており、2020年度予算の歳出歳入は約176兆円にまで膨れ上がった。
もちろん、この予算規模の拡大は、国民や事業者への支援、医療体制の整備などさまざまな形で使われているのだが、実際、どんな事業にどの程度の予算が実際に使われたのかということはほとんど報じられていない。
「Go Toトラベル」など、国民の話題にあった事業は、節目節目で政府が利用状況を公表したが、それ以外の事業については実態が伝えられないまま推移している。
例えば、国民一人当たり10万円を支給した特別定額給付金は、5,910万件、12兆6,604億円が支出されている。これは1億2660万人に支給されたことになる。
また、低所得のひとり親世帯への臨時特別給付金は97万9000件 1,499億円が支出されている。
生活に困った人が生活費などを借りる「緊急小口資金の特例貸付」は149万3000件 6,030億円、学生支援緊急給付金も42万件 494億円がそれぞれ利用されている。
企業支援では、例えば、持続化給付金が約422万件 約5兆5000億円、家賃支援給付金が約100万件 約8,600億円支出されている。
資金繰り支援でも、実質無利子・無担保融資を含めた民間金融機関が27兆7,247億円、公的金融機関分は14兆1,868億円にそれぞれ達している。
また、雇用調整助成金は、254万8000件、2兆8210億円となっている。
直接の新型コロナ感染症対策としては、医療体制の整備などを行うための緊急包括支援交付金は33万4004 件、1兆2040億円、医療機関などへの医療用マスクなどの優先配布でも3,631億円を支出している。
医療体制の整備のため人工呼吸器の確保事業も行っており、増産要請に基づいて20年11月末時点で3,796台の人工呼吸器を国内で確保済みとなっているほか、リースでも千台以上を契約している。
新型コロナにからみ20年度予算ではさまざまな対策を講じたが、色々な批判があったことも事実。しかしその中には、このような実績をみないまま一方的に批判しているケースも多い。実績をみれば、そうした批判が的外れなことも分かるだろう。
(terracePRESS編集部)