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沖縄の基地負担軽減と辺野古移設は喫緊の重要課題

松野官房長官が先ごろ、沖縄県を訪問し、改めて米軍基地の地元負担軽減への取り組みを促進するとともに、普天間飛行場の名護市辺野古への移設を進めるとの方針を強調した。普天間飛行場の返還を実現するには辺野古移設が不可欠だが、沖縄県は現在も県外・国外移設を求めている。

 

「日米同盟の抑止力を維持しながら、沖縄の皆様の心に寄り添い、基地負担軽減に引き続き取り組んでいく考えだ」。「沖縄統合計画を着実に進め、目に見える形で負担軽減を図っていきたい」。松野官房長官は、沖縄で負担軽減の重要性をこう説明した。

 

その一方で、沖縄県が反対している普天間飛行場の辺野古への移設については、移設することで住宅街の真ん中にある普天間飛行場の危険性が除去されるとして、工事を進める考えを強調している。

 

沖縄は5月に本土復帰50年になるが、現在も普天間飛行場のように街のど真ん中に広大な飛行場があるという状況が続いており、それを唯一解決する方策が辺野古への移設だ。

 

もちろん、これまでも辺野古移設以外の方策も検討された。民主党の鳩山代表(2009年当時)は「最低でも県外」と主張し、さまざま方策を検討した。しかし、その非現実性を翻すことはできず、辺野古移設を最終的に決めた。

 

「最低でも県外」との鳩山氏発言は、沖縄県を混乱に巻き込んだ。実現可能性が乏しいことを、何の根拠もなく発言し、そして自ら否定せざるを得なくなった。

 

さて、沖縄県は先ごろ「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画(案)」をまとめたが、この中で「克服すべき沖縄の固有課題」として「普天間飛行場については、一日も早い危険性の除去及び早期閉鎖・返還を実現するため、改めて県外・国外移設を追求し、同飛行場の速やかな運用停止及び固定化を避ける方策を検討する必要がある」と述べている。

 

「同飛行場の速やかな運用停止及び固定化を避ける方策を検討する」の「検討する」主体を明示していないが、少なくとも沖縄県が「県外・国外移設」を求めていることを改めて主張している。

 

しかし、普天間飛行場の機能のうち、空中空輸機の運用機能はすでに山口県の岩国飛行場に移駐しているし、緊急時の航空機の受け入れ機能は、福岡県の自衛隊築城基地、宮崎県の自衛隊新田原基地に移転している。そういう意味では、県外移設も実現しているのだ。

 

ただし、オスプレイの運用だけが残っており、これが辺野古の代替施設に移転される計画だ。だが、代替施設の埋め立て面積は、普天間飛行場の面積の約3分の1、滑走路の長さも約3分の2にとどまっている。そのうえで、現在、建設も進んでいるのだ。

 

そうした中で、検討する主体も明示しないまま「県外・国外移設」だけを言い続ける沖縄県は、責任ある行政と言えるだろうか。一刻も早い普天間飛行場の移設に向け、沖縄県も協力することが、危険性除去、基地負担の軽減につながる。

 

(terracePRESS編集部)

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