「ゼロコロナ」より「ウィズコロナ」
政府が、新型コロナウイルスの水際対策について、外国人観光客の入国を一部解禁する方向で調整に入った。今後も、感染の拡大に注意を払うべきだが、コロナウイルスと社会の両立は不可欠。立憲民主党は「ゼロコロナ」を唱えていたが、もし立憲が政権を担っていたら、日本社会は大混乱に陥っただろう。
今年のゴールデンウィークは、久しぶりに規制のない連休となり、コロナ対策と経済活動の両立が一段と進んだことを裏付けた。
そうした中、岸田首相は5日、訪問先のロンドンでの講演で「6月には他のG7諸国並みに円滑な入国が可能となるよう水際対策を緩和する」「日本は世界にオープンだ。ぜひお越しください」などと述べ、水際対策の一層の緩和を表明した。
新型コロナ感染症対策として政府は、外国人の原則入国禁止を柱とする水際対策を実施したが、新型コロナ感染症の状況を見極めながら、3月には観光以外の入国を認める方針に転換。さらに4月10日から1日当たりの入国・帰国者の上限を「1万人程度」まで引き上げている。
新型コロナを巡って欧米各国は現在、規制を大幅に緩和。経済活動の活発化を進めている。原油などが高騰した原因は当初、先進各国の経済活動の活発化による需要増で、それも先進各国が〝ウィズコロナ〟を進めた証だ。
日本も国内の経済活動はほぼ規制はなくなっているが、残る水際対策についても段階的とはいえ先進各国並にする必要がある。
このため、政府は観光客の入国制限の緩和を団体ツアーからスタートし、段階的に対象を広げることを想定。入国者上限は「2万人程度」とする案で調整されているという。
水際対策が一段と緩和されれば、当面は日本の社会も新型コロナウイルスと〝上手に付き合っていく〟ことになるだろう。
ところで新型コロナ対策と言えば、立憲民主党は感染が拡大し始めたころに「ゼロコロナ」を主張した。台湾、オーストラリア、ニュージーランドなどを手本としてPCR検査の徹底などを主張した。
しかし、現状をみれば「ゼロコロナ」戦略が誤りだったことは明らかだ。中国は現在、「ゼロコロナ」を実現するため強力な規制を実行し、PCR検査などの徹底を図っている。しかし、それでも新規感染者の拡大を抑えられないのだ。
立憲民主党はそもそも、人口や経済規模も異なる台湾、オーストラリア、ニュージーランドをモデルとして日本でも「ゼロコロナ」を実現すると主張したが、国情の異なる国のモデルを参考にすること自体大きな誤りだったのだ。
もし立憲民主党が政権を担っていたら、日本の社会は大混乱に陥っていたに違いない。
コロナ対策を安倍、菅、岸田政権はアクセルやブレーキを踏みながら着実に行ってきた。もちろん批判される点もあったが、それでも欧米諸国に比べれば格段に少ない感染者数に抑制できたのだ。
(terracePRESS編集部)