「野党に日本を任せられない」と断じた茂木幹事長の正論
自民党の茂木幹事長が先ごろ、ロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮の弾道ミサイル発射に触れつつ、立憲民主党など野党の安全保障政策を批判した。確かに立憲民主党や共産党などの野党は、平和憲法、9条さえあれば日本の安全が確保できると考える政党だ。戦後75年以上が経過しても日本をめぐる国際環境が何も変わっていないと考える、まさに平和ボケの政党だ。
茂木幹事長は14日の地方講演で、自民党が他国への「反撃能力」保有を議論していることについて、「立憲民主党幹部が『ウクライナに便乗した議論で、悪乗りだ』と言っているようで耳を疑う。危機感がない。こんな政党に日本の将来を任せるわけにはいかない」と強調した。
この茂木幹事長の主張は、正論だ。そもそも、野党は国際情勢への認識が乏しい。乏しいというより皆無かもしれない。
ロシアによるウクライナ侵略という驚愕する事態が起こっても、経済成長を遂げた中国が急速に軍備増強を進め、南シナ海で軍事拡張を続けたり、尖閣諸島の領海に侵入を繰り返したりしても、日本の安全保障には何ら影響しないと思っているのだ。
だからこそ、新しい時代に合わせて憲法を改正しようという考えも持たない。ある立憲民主党の衆院議員は、憲法記念日に開かれた憲法改正に反対する集会で「ロシアは断じて許すことはできない。そして、そのロシアよりも許せないのが、今の与党だ。このどさくさまぎれに、ウクライナの問題をダシにして、改憲に突き進もうというその姿勢を、私は許すわけにはいかない。まさにどさくさまぎれに改憲を試みよう。国民をだまそうとしている」と発言した。
この発言はその後に撤回されたが、ウクライナ国民を虐殺するロシア以上に改憲論議を進める与党を批判したのだ。
戦後75年以上が経過し、日本の内外環境も変化しているため、憲法もそれに合わせて見直すというのは合理的だ。しかし、その環境変化にすら気が付かないからこそ「ウクライナの問題をダシにして」などとの発想になるのだろう。こんな議員が所属する政党が、責任ある政治をできるわけがない。
また茂木氏は「ウクライナ情勢、エネルギーの安定供給が大きな課題になる中で、何の根拠もなしに原発ゼロを繰り返す野党がいかに非現実的か明らかになっている」と批判した。これも正論だ。
カーボンニュートラルを促進するには原発の活用も不可欠だが、野党はそこにも顔を背けている。それだけではない。対ロ制裁でロシア産石油の禁輸が本格化し、長期化すれば、原発がますます重要になってくるのだ。そうした大局的な視点はないまま、原発ゼロだけを主張するのが野党なのだ。
茂木氏の「こんな政党に日本の将来を任せるわけにはいかない」という指摘はまさに正しいのだ。
(terracePRESS編集部)