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2022.06.03

「新しい資本主義」で資産所得倍増へ

岸田政権は先ごろ、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」をとりまとめた。7日にも閣議決定する。「人への投資」を重視し、経済成長につなげる一方、成長の果実を国民に分配することを目指し「資産所得倍増」の実行も打ち出した。新しい日本社会の構築がスタートする。

 

岸田首相は計画をとりまとめた「新しい資本主義実現会議」で、「人への投資については、今年の春闘において、低下してきている賃金引上げの水準が反転した。さらに、賃金の引上げを実現するためにも、成長分野への円滑な労働移動により、スキルアップや人材育成策の拡充を図る」と指摘。

さらに「本年末に、総合的な『資産所得倍増プラン』を策定する」との考えを明らかにし、国民生活の向上を打ち出した。

 

計画は「新しい資本主義に向けた計画的な重点投資」として①人への投資と分配②科学技術・イノベーションへの重点投資③スタートアップの起業加速及びオープンイノベーションの推進④GX(グリーン・トランスフォーメーション)及びDX(デジタル・トランスフォーメーション)への投資-の4分野を掲げた。

 

中でも「人への投資と分配」では、「賃金引き上げの推進」や「子供・現役世代・高齢者までの幅広い活躍を応援」を打ち出し、分配が着実に推進されることを目指している。

例えば賃上げについては「物価が上昇する中で、引き続き、官民が連携して、賃金引上げの社会的雰囲気を醸成していくことが重要」とするとともに「また、最低賃金について、官民が協力して、引上げを図るとともに、その引上げ額については、公労使三者構成の最低賃金審議会で、生計費、賃金、賃金支払能力を考慮し、しっかり議論していただくことが必要」としている。

 

実際、こうした方針に基づき、現在、全国平均で1時間あたり930円となっている最低賃金について、2025年度には1,000円以上を目指す方向を打ち出す見込みだ。

 

また、「貯蓄から投資のための『資産所得倍増プラン』の策定」を盛り込み、今年末に総合的な「資産所得倍増プラン」を策定することを明記。日本の個人の金融資産2,000兆円のうち、その半分以上が預金・現金で保有されている結果、この20年間では米国で家計金融資産が3倍、英国では2.3倍になったのに対して日本は1.4倍にとどまっている状況を大幅に改革する考えだ。

 

さらに、日本経済を活性化するけん引役とも考えられるスタートアップについては「スタートアップの育成は、日本経済のダイナミズムと成長を促し、社会的課題を解決する鍵」と位置づけたうえで、「新しい資本主義実現会議に検討の場を設け、5年10倍増を視野に5か年計画を本年末に策定するとともに、実行のための司令塔機能を明確化する」との方針を打ち出した。

 

メディアなどでは今回の計画について「分配はどこいった」などとの報道があるが、分配はすなわち国民生活の向上であり、補給金などで行うものではない。もちろん一部はそうした手段が必要な分野もあるが、経済成長を果たしながらその果実を国民に回すことができる社会のことだ。岸田政権はそうした社会の構築に本格的に動き出した。

 

(terracePRESS編集部)

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