〝脅威〟は異常な中国の行動か、米軍基地か
中国が日本の周辺での艦船や航空機による活動を活発化させている。そうした環境変化があるにも関わらず、沖縄県では相変わらず「(米軍)基地が県民生活を脅かしている」との声が強い。玉城デニー知事自身が反基地闘争の旗振り役なのだからそれも仕方がないのだが、ウクライナの現実をみれば分かるように、すでに日本は外国の脅威から自国をどう守るかを問うべき時代を迎えている。
沖縄県周辺では連日、中国軍の行動が確認されている。21日には久米島の北西約280キロの海域を中国海軍のミサイル駆逐艦1隻、フリゲート2隻の計3隻が航行。23日には宮古島の東約150キロ海域で情報収集艦1隻、同島南約130キロではミサイル駆逐艦1隻、フリゲート1隻を確認している。 24日には、与那国島の南西約70キロの海域で、ミサイル駆逐艦1隻の航行も確認している。
中国軍の活動は艦船だけではない。23日には中国軍の爆撃機3機が沖縄本島と宮古島との間を通過して太平洋上で旋回、再び沖縄本島と宮古島との間を通過した。
また、24日には東シナ海方面から飛来した情報収集機1機が、やはり沖縄本島と宮古島との間を通過して太平洋上で旋回、同様に再び沖縄本島と宮古島との間を通過した。こうした中国軍機の行動に対しては航空自衛隊が戦闘機を緊急発進(スクランブル)させ、監視している。
中国軍が沖縄本島周辺に飛来した23日には、沖縄全戦没者追悼式が開かれたが、この追悼式ではあいさつのためマイクを握った岸田首相に会場周辺の反基地を主張する人々から「心にもないことを言うな」「帰れ」「辺野古の海を守れ」などの抗議の声が相次いだという。
ちなみに岸田首相は式典で「沖縄の皆様には、今もなお、米軍基地の集中による大きな負担を担っていただいている。政府として、このことを重く受け止め、引き続き、基地負担の軽減に全力で取り組んでいく。在日米軍施設・区域の整理・統合・縮小を進めており、基地負担軽減の目に見える成果を一つ一つ着実に積み上げていく」と指摘。
その上で「戦後、我が国は、一貫して、平和国家として、その歩みを進め、世界の平和と繁栄のため、力を尽くしてきた。戦争の惨禍を二度と繰り返さない。この決然たる誓いを貫き、世界の誰もが平和で心豊かに暮らせる世の中を実現するため、不断の努力を重ねていくことを、改めて、御霊にお誓い申し上げる」などと結んでいる。
一方、玉城デニー知事は「平和宣言」で「辺野古新基地建設の断念等、沖縄の基地問題の早期の解決を図ることを強く求める」と述べている。
米軍基地の縮小は日米両国が縮小のスキームで合意しており、着実に成果が出ている。辺野古の飛行場建設も、普天間飛行場の代替施設として建設しているもので、辺野古施設に反対することは天に唾するのと同じだろう。
日米安保条約に基づく在日米軍の存在は、中国軍への抑止力そのものだ。前述したように中国はすでに異常な活動を行っており、日本の脅威となっているのが現実だ。それでも玉城知事のように反基地を主張する人々は、沖縄はもちろん日本の安全を危うくしたいのだ。
(terracePRESS編集部)