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CATEGORY政治

2022.06.15

レベル低い主張繰り返す立憲民主

立憲民主党の小川政調会長が12日のフジテレビの番組で、日銀の黒田総裁の「家計の値上げ許容度」発言を取り上げ、稚拙な主張を展開した。立憲は政策立案型政党と称する政党のはずだが、結局は政府批判に徹している。それも政策というものを理解できないからだろう。現在の家計の状況に対する解釈をしたに過ぎない黒田氏の発言批判は、それを如実に証明している。

 

小川政調会長は番組で、黒田氏の発言に関し「国民感情から随分遠いところにおり、アベノミクス下の格差拡大への感度が鈍っている。そろそろ引き際をお考えになった方がいいのではないか」と指摘した。

その上で、大胆な金融緩和を進める日銀の政策のあり方が参院選でも争点になるとの認識を示し「物価が上昇しても、それ以上に賃金を上げないと良い循環にならない」と強調している。

 

では、小川政調会長が批判した黒田総裁発言とはどういうものだったのだろうか。東大の渡辺努教授が「馴染みの店で馴染みの商品の値段が10%上がったときにどうするか」

という家計に関する調査を日本も含めた5カ国を対象に、定期的に実施しているが、黒田氏は、昨年8月の前回調査では、日本の家計の半数以上が、「他店に移る」と回答していたが、この4月から5月上旬の調査では、「他店に移る」との回答が大きく減少し、「値上げを受け容れ、その店でそのまま買う」との回答が、欧米並の半数以上を占めるようになったことを紹介。

 

その上で「この結果自体は、相当の幅を持ってみる必要はあるが、ひとつの仮説としては、コロナ禍における行動制限下で蓄積した『強制貯蓄』が、家計の値上げ許容度の改善に繋がっている可能性がある」と述べたに過ぎない。

また、黒田氏は続けて「強制貯蓄の存在等により、日本の家計が値上げを受け容れている間に、良好なマクロ経済環境を出来るだけ維持し、これを来年度以降のベースアップを含めた賃金の本格上昇にいかに繋げていけるかが、当面のポイントであると考えている」と発言している。

 

このように黒田氏の発言は、調査の結果を紹介して、その結果の解釈について述べたに過ぎない。それも「相当の幅を持ってみる必要はあるが、ひとつの仮説として」との前提もきちんと述べているのだ。

これが経済に関するレポートで書かれていたら何も問題視することはなかっただろうし、たまたま講演で発言し、そこに文脈などは無視して、書き手の都合のいいところだけを切り取るメディアがいたのが、今回の騒ぎの原因だ。さらに、黒田氏は賃上げの必要性も強調している。小川政調会長は、そうした点を一切無視してただ批判しただけなのだ。

 

ちなみに岸田政権が策定した「新しい資本主義のグランドデザイン」には、「新しい資本主義実現会議」のメンバーである連合の芳野会長も「企業の健全な発展や安定した雇用のもとで、誰もが将来の生活に希望を持てる環境整備や賃金をはじめとする基盤づくりへの資源分配の必要性など、連合からの意見を一定程度反映していただいたものと認識している」と賛意を示している。

 

立憲民主党の支持母体である連合でさえ、政府の賃上げ政策に一定の評価をしている。そうした中で、立憲民主党のレベルの低さだけが目立っている。

 

(terracePRESS編集部)

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