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インド太平洋の秩序目指す国際協力

インド太平洋地域の秩序を維持するための国際的な協力が進んでいる。英海軍空母の打撃群が9月に日本に寄港するなど、具体的な行動も進展している。中国が軍事活動を活発化させ、日本周辺を含めた海洋地域の秩序の維持が揺らいでいる中で、国際的な協力は不可欠だ。インド太平洋地域の秩序維持は、すでに国際的な課題になっている。

 

岸防衛相と英国のウォレス国防相が20日行った日英防衛相会談は、日英防衛協力が「新たな段階」に入ったことを印象付けるものとなった。

両大臣は会談で、東シナ海や南シナ海をめぐる情勢について、力による一方的な現状の試みや緊張を高めるいかなる行為に強く反対するとの意思を改めて表明し、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序、特に国連海洋法条約が重要であるという認識で一致した。

 

また、①長い歴史と伝統を有する日英防衛協力が「新たな段階」に入ったこと②「自由で開かれたインド太平洋」の実現のための英国の関与が強固かつ不可逆的であること③日英防衛協力が我が国の安全保障のみならず、インド太平洋地域と国際社会の平和と安定の確保に資するとともに、グローバルな課題に対処するものであることを示すものであることについても認識を一致させた。

 

また会談では、現在、日本に向けて航海を続けている英国の空母打撃群が9月に日本の自衛隊基地や在日米軍基地に寄港することも確認した。

英空母打撃群は5月に英国を出航し、最新鋭空母クイーン・エリザベスを旗艦に駆逐艦や補給艦などで編成し、米国の駆逐艦とオランダのフリゲート艦も同行し、計9隻で展開している。クイーン・エリザベスにはステルス戦闘機F35Bを搭載しているという。

日本へ寄港する際は、クイーン・エリザベスは米海軍横須賀基地(神奈川県)に入港し、その他の艦艇は、海上自衛隊の横須賀基地(同)や呉基地(広島県)などに分散して停泊する見込みだ。

 

日本は英国と、米国とのような安全保障条約を結んでいるわけではないが、自由や民主主義、法の支配といった基本的価値観を共有するパートナーだ。

特に英国は、インド太平洋地域が「世界の地政学的な中心」になりつつあるとし、今年3月にインド太平洋地域に軸足を置くという外交政策を公表した。空母打撃群の派遣もその一環として行われている。

 

このため英国は、年末に向けて自国軍の2隻の哨戒艦をインド太平洋地域に「恒久的に展開」させ、数年後には「沿岸即応部隊」を展開させる方針だ。

 

豪州や東南アジア各国はもちろん、英国以外の欧州各国もインド太平洋への関心を強めている。こうした各国と幅広く議論をし、共同訓練などをすることが戦略的意義を持つことは間違いない。

一方で各国がインド太平洋地域に関心を高める中で、日本も秩序維持に向けた責務を果たすことが不可欠であり、また国民の理解を深める必要もある。

 

(terracePRESS編集部)

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