憲法改正で議論進めないのは政治家の怠慢
「第4次安倍第2次改造内閣」がスタートし、国民的課題となるのが憲法改正だ。日本は太平洋戦争を経て昭和、平成という時代で平和な成熟国家となったが、その歴史を踏まえながら令和の時代にふさわしい憲法を持つのは、次代に対する現世代の責任だろう。
安倍首相自身も、記者会見で「必ずや、成し遂げていく。そう決意している」と述べているが、それは国民の要請でもある。
日本経済新聞が9月13日付朝刊に掲載した世論調査によると、安倍首相が2021年9月の自民党総裁任期までに憲法改正の国民投票をしたいと表明していることに対して、「賛成」が58%、「反対」が32%だったという。少なくとも多数の国民が憲法改正を拒否しているのではなく、過半数が賛成しているのだ。
これを世代別にみると18~39歳で「賛成」が7割に上った一方で、60歳以上では5割だったという。国民の中でも、これから日本を背負っていく若い人たちが、憲法改正を是としているのだ。
憲法改正は国民投票により、是非を国民が判断するのであるから、政治家の責務はまずは改正案について議論をすることだ。しかしなかなかこの憲法論議が進んでいない。
では、なぜ、憲法論議が進まないのか。衆参で第一党である自民党は、既に憲法改正のためのたたき台を示している。それなら、国民としては議論が進むのではないかと期待するところだが、現実はそうはならない。
改憲案を審査する国会の憲法審査会で、野党側の協力が得られず、ほとんど議論が行われていないのだ。
もちろん、憲法改正という国の基本に関することだから与野党の合意が大事になるが、議論すら拒否するという野党の姿勢は、政治家として怠慢と言われても仕方ないだろう。
同時に、憲法改正の是非を問う国民投票法の改正案についても、憲法審査会の場で、与野党が真正面から議論することが必要なのだ。
安倍首相は記者会見で「立憲民主党を始め、野党各党においても、それぞれの案を持ち寄って憲法審査会の場で憲法のあるべき姿について、与野党の枠を超えて活発な、国民が注視している、注目をしているわけだから、その期待に応えるような議論をしてもらいたいと期待をしている」と述べているが、まさにその通りだ。
政治家の役割は国づくりだ。国の基本である憲法について議論しないという姿勢では、国民の支持を失うことだろう。
(TerracePRESS編集部)