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2022.06.20

物価対策、賃金対策を加速させる岸田政権

政府は、物価高騰などに対応するため「物価・賃金・生活総合対策本部」を設置し、21日に初会合を開く。世界的な景気の回復にともなう需要増やウクライナ情勢などで資源価格が高騰しているうえ、日米金利差の拡大などによる円安の進行で、今後も物価の上昇が懸念される中で、岸田政権が物価対策、賃金対策を加速させる。

 

岸田首相は15日の記者会見で、物価対策について「最大限の警戒感を持って対応する。このため、政府に『物価・賃金・生活総合対策本部』を立ち上げる」と力強く表明した。

 

国内物価は昨年秋ごろから上昇傾向を示したが、政府はすでに昨年11月、事業規模約79兆円の「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」、約107兆6000億円の過去最大規模の2022年度当初予算に加え、4月には事業規模13.2兆円程度の「コロナ禍における『原油価格・物価高騰等総合緊急対策』」を策定し、それに伴う補正予算も編成している。

 

「物価・賃金・生活総合対策本部」は、物価の動向をにらみながら、こうした対策、予算を活用し、「迅速かつ総合的な対応策に取り組む」(松野官房長官)方針で、対策を加速などさせ、国民生活の安定を図る。

 

とは言っても、政府はこれまでも対策を実施している。ガソリンについては、石油メーカーに補助金を支給しており、対策がなければ現在1リットル210円となっていると見込まれているが、それを170円程度の水準に抑えている。ガソリン価格の値上がり幅で見ると、日本は欧米各国に比べると半分程度の水準にとどまっているのが実状だ。

 

輸入小麦は国家貿易として政府が全量を海外から輸入し、それをメーカーに売り渡している。年2回売り渡し価格は改定するが、4月期の改定は昨年10月期と比べて17.3%の引上げとなっている。しかし、小売価格に与える影響は、食パンだと1.5%で1斤当たり3円程度増、中華そば(外食)は0.2%で1杯当たり1円程度増、小麦粉は4.4%で1キロ当たり12円程度増となっており、消費者物価指数に与える影響0.016%程度だ。

これについても岸田首相は「10月以降も輸入価格が突出して急騰している状態であれば、必要な抑制措置を講じ、パンや麺類などの価格高騰を抑制する」と述べている。

 

また、政府は、飼料の高騰による畜産物の生産コストの上昇を緩和するため、官民による基金から生産者に補填金を交付し、肉やソーセージなどの価格上昇を抑制。秋に向けて肥料の原料価格高騰が農産物価格の一層の上昇に影響するおそれもあるため、さまざまな農産物の生産コストを最大1割程度引き下げ、価格上昇を抑制する方針だ。

 

さらに対策本部で注目すべきは、物価対策と並んで賃金対策も実施することだ。今春闘では、賃上げ率は現時点で2.09%という水準となっており、ここ数年の賃上げ率低下が反転上昇している。政府は最低賃金を早急に1000円まで引き上げる方針で、今後の賃上げへ向け環境整備を進める。

 

(terracePRESS編集部)

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