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2022.08.30

〝先祖返り〟立憲の行く末

立憲民主党は先ごろ、参院選の敗北を受け、新たな執行部を発足させた。泉代表が留任したほか、新執行部のメンバーは民主党政権時代に見た顔ばかり。政権運営に失敗し、国民にそっぽを向かれた民主党。今回の人事はその民主党への〝先祖返り〟のようだが、そのダメな〝先祖〟の中心にいた面々に党勢回復を期待するのは、土台無理な話だ。

 

人事では幹事長が岡田克也氏で、岡田氏は民主党政権時代の元副総理だ。政調会長は長妻昭元氏で、こちらも元厚生労働相だ。

国対委員長には安住淳氏で元財務相。安住氏と言えば、東日本大震災が発生した当時の民主党の国対委員長で、大震災発生直後にすみやかに国会を止めることもできなかったという人物だ。

 

選対委員長は大串博志氏で、こちらは元首相補佐官。さらに、留任した逢坂誠二代表代行も、民主党政権時代に首相補佐官だった。

ちなみに泉代表も民主党政権時代に内閣府の大臣政務官だったが、こちらは政権の中枢とは言い難い。

そして、幹事長を岡田氏にとって代わられた西村智奈美氏は逢坂氏と同じ代表代行となった。

 

結局、今回の人事は、参院選で衰退した党勢の回復を図る人事とは言いながら、敗北の責任をとったのは幹事長を退いた小川淳也氏だけ。後は、旧民主党の主要メンバーに未来を託したということなのだろう。

 

問題は、どのように党勢回復を果たしていくかということだが、26日の記者会見で「新執行部にベテランを起用した狙い」を問われた泉代表は「立憲民主党には元総理大臣や多くの大臣経験者がいる」として「政権党を目指す立憲民主党の姿をもっと強く打ち出す必要がある」と述べている。

 

旧民主党の主要メンバーを起用し「立憲民主党の姿をもっと強く打ち出す必要がある」と述べていることを考えれば、間違いなく〝先祖返り〟で、泉代表が就任直後に新たに打ちだした「政策提案型政党」という考え方は雲散霧消するのだろう。

 

また、泉代表は会見で「ネクストキャビネット」の設置を発表し、「ここで若手の登用を積極的に行っていきたい」とも強調しているが、政党執行部の面々が旧来の考え方しかできなければ、若手でネクストキャビネットを設置しても効果は期待できないだろう。

 

立憲民主党の中には、安倍元首相の国葬や旧統一教会などについて政権批判を強める必要があるとの主張があるという。しかし、旧統一教会とは岡田幹事長も関係があったし、そもそも宗教は慎重に議論すべき問題だ。

また、安倍元首相の国葬も、憲政史上最長の首相に弔意を示す国の式典を行うことは何も不合理ではないし、政治の大きな問題ではない。

 

立憲が〝先祖返り〟し、政権批判だけを繰り返す政党になれば、それがまた有権者の立憲離れの理由になるだろう。

 

(terracePRESS編集部)

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