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4年後の知事選見据えて県民の理解獲得を

任期満了に伴う沖縄県知事選で、無所属現職で立憲民主、共産などが推薦した玉城デニー氏が再選を果たした。玉城氏は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設反対を訴えた。しかし、普天間飛行場の危険性除去は待ったなしの上、アジアの安全保障環境は近年厳しさを増す一方だ。このため、政府などは一刻も早く沖縄県民への説明など4年後を見据えた取り組みをスタートさせるべきだ。

 

世界一危険な飛行場と言われた宜野湾市の普天間飛行場の返還について日米両政府が合意したのが1996年。その後、鳩山元首相が民主党代表時に移設先について何ら具体案を持たないままに「最低でも県外」と発言し、大混乱に陥るなど紆余曲折があったものの、2018年12月には、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ内と沖合に規模を縮小した滑走路の建設のため、辺野古沿岸部の埋め立て工事がスタートした。

 

玉城氏は選挙戦で移設計画の中止と県外・国外への移設を求めたが、普天間飛行場の主要な3機能のうち空中給油機の運用機能はすでに県外に移転しており、緊急時の航空機受け入れ機能も県外に移される予定で、移設先のキャンプ・シュワブには、オスプレイなどの運用機能のみ移ることになる。

 

しかし、それでも玉城氏は今回の選挙結果を受けて、「辺野古移設反対の民意が改めて示された」として、今後も政府に計画の中止を迫り続けることになるだろう。もちろん、政府との法廷闘争は今後も続く見通しだ。

 

ところで、辺野古移設が決まった当時と現在では、アジアを巡る国際環境が様変わりしている。中国は軍事的な拡張を続け、東アジアの緊張は高まる一方となっている。

中国との緊張が極度に高まっている台湾と与那国島は111キロの距離しかない。もし台湾有事が起これば、日本への直接的な影響が出ることも懸念されている。

 

また、いうまでもなく尖閣諸島周辺海域での中国公船の活動は活発化しており、領海への侵入もたびたび発生している。

 

このように日本を取り巻く状況が厳しさを増している中で、沖縄県は、全貿易量の99%以上を海上輸送に依存している日本のシーレーンに近い上に、朝鮮半島や台湾海峡など日本の安全保障に影響を与える可能性がある地域に近く、その一方で、軍事上の緊張を新たに高めるような近すぎない地域でもあるとされている。

 

このように辺野古の代替施設建設は、普天間飛行場の危険性除去のためにも、日本の安全保障のためにも不可欠となっている。

 

この点について基地負担をせざるを得ない沖縄県民に理解してもらわない限り、4年後の知事選も同じ結果になってしまう。このため、4年後の知事選を視野に、その4年間を利用してどのように県民の理解を得るかが、これからの沖縄県にとっても、日本の安全保障にとっても重要な期間となる。

 

(terracePRESS編集部)

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