元徴用工問題は歴史問題ではなく国際法の問題

韓国の文在寅大統領が8月29日の臨時閣議で、日本が輸出管理で優遇措置を取る「(グループA(ホワイト国)」から韓国を除外したことに関連し「どんな理由で弁明しようが、日本が歴史問題を経済問題に絡めたことは間違いない」と述べたという。

日本の措置が、いわゆる元徴用工訴訟で日本企業に賠償を命じた韓国最高裁判決などへの“経済報復”であるとの見方を示したわけだ。

もちろん、これは目新しい発言ではなく、韓国はこれまで、日本の輸出管理の見直しについて「元徴用工判決の報復」と断じてきた。

 

もちろん日本の輸出管理の見直しは安全保障上の観点から実施したもので、判決とはまったくリンクしたものではない。だから、文大統領の発言はまったく間違ったものなのだ。

 

しかし、仮に、百歩譲って判決と輸出管理の見直しに相関関係があったとしても、元徴用工訴訟の判決で問題となっているのは、歴史問題ではない。日韓請求権協定という日本と韓国間の国際法の運用の問題なのだ。

 

日韓請求権協定では、両締約国つまり、日本と韓国、そしてそれぞれの国民は、請求権について互いに主張することができないことが定められている。そして請求権に関する問題は「完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」と明確に規定されている。

そして、この国際法がありながら、韓国の最高裁が日本企業への賠償を認めたことがこの問題の本質だ。

 

もちろん、二国間の法律だから、両国間に紛争が起こった際の取り決めもある。協定の第3条1は「この協定の解釈及び実施に関する両締約国の紛争は、まず、外交上の経路を通じて解決するものとする」としており、日本はこれに基づき1月9日に韓国に対して協議の申し入れをしている。

そして、この申し入れに対して日本の督促にも関わらず韓国がアクションを取らなかったことは周知のとおりだ。

 

また、第3条1の外交上の協議で解決しなかった場合については第3条2、3で、両国がそれぞれ任命した委員らによる仲裁に付託することなどができるため、日本はこの規定に基づいて5月20日に韓国政府に仲裁の付託を通告している。

しかし、韓国政府は現在に至っても仲裁委員の任命など第3条の手続に従っていない。

 

つまり韓国側は、最高裁判決が日韓請求権協定に違反した最高裁判決を放置しているだけでなく、協定上の紛争解決手続を無視することによって国際法である協定を二重に違反しているということになる。

 

この一連の経緯を見れば、この問題が歴史問題ではなく、国際法を順守するか否かという問題であることは明らかだろう。

輸出管理の見直しは安全保障上の観点からの見直しであることは間違いないが、こうした韓国の対応をみれば、韓国が信頼できない国なのは明らかだ。

 

(terracePRESS編集部)