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野党の資質に欠ける野党

萩生田文科相は先ごろ、大学入試に導入される英語の民間試験をめぐり、受験生に「身の丈に合わせて頑張って」と述べた問題について、「不徳の致すところで反省する」と述べ、撤回した。人間だから誰でも発言を間違うことはあるし、もしそれが間違い、認識の謝りだと自身が判断すれば、謝罪し、撤回すればいい。

 

ところが、野党はまたぞろこの萩生田氏の発言を国会で取り上げる構えだ。立憲民主党の福山幹事長は「大臣の資質がない。国会でしっかりと萩生田氏に発言の真意を問いただす」などと語っているが、「大臣の資質がない」と大声で批判することが、国会審議を充実させることになるのだろうか。

 

では、なぜ野党は、すでに「反省する」とまで述べている発言を、ことさら大騒ぎするのだろうか。

それは、一部メディアが「安倍晋三首相側近の萩生田氏をやり玉に挙げ、政権にダメージを与える狙いだ」と指摘しているが、まさにその通りだろう。単に政争の具にしようということでしかない。

大臣の発言を批判する、あわよくば辞めさせる。そんなことを〝得点〟と野党が考えているなら、情けない話ではないか。

 

発言問題ではないが、森友学園、加計学園問題でもそうだ。首相が関与していないことは明らかなのに、延々と国会で質問する。そして、少しでも政権にダメージを与えたり、世論を味方につけたりする。

 

政治には経済社会を豊かにし、国民の福利を向上させ、国益を守るなど、いくつも重要な役割がある。全体の幸福を追求するため、場合によれば、一部に不利益が生ずることも手掛けなければならない。それが政治の目的で、それらの目的を実現させるために、だから与野党が真剣に議論する場が国会なのだ。

 

百歩譲って、国会で議論するのなら、萩生田氏の発言ではなく、大学入学共通テストの英語で導入される民間検定試験のあり方であるはずだ。そして実際に、これまでの国会でも議論されてきたのだ。

 

それでもなお大臣の発言を取り上げるという野党は、ほかに文部科学行政に懸案や課題がないと考えているのと同じだ。

国会の質疑は野党の質問に政府が回答するという形となっている。実は、審議を充実させるか否かの主導権の多くは野党が握っている。国会の審議が充実しないとすれば、その責任は野党にあることになる。「大臣の資質」を大声で問う野党は「野党の資質に欠ける」というほかはない。

 

(terracePRESS編集部)

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