憲法議論を求める議員の発言封じる立憲民主党

「ここにいる1人1人の議員が、政党の代表者ではなくて、選挙の支援者の代弁者でもなくて、全国民の代表者として自らの憲法観を語るところから始めるべきだと思う」―。これは11月に行われた衆院の憲法審査会での委員の発言だ。憲法の中身について議論をしようというものだ。

 

発言の主は立憲民主党の山尾志桜里衆院議員。この至極真っ当な発言に噛みついたのが、立憲の枝野代表だ。記者会見で「国会の議論の段取りは国会対策マターであり、大衆討議ものではない。党の方針は明確だ」と指摘。その上で「『山尾氏の発言は問題ではないか』との指摘もあり、福山幹事長が議事録などを取り寄せ、本人の話もうかがっている。その結論を待ちたい」と述べた。

 

立憲民主党は、憲法改正手続きを定めた国民投票法改正案について「国民投票法を変えるのであれば、CM規制をセットで結論を出さなければならない」とし、CM規制を進めた上で、国民投票法を改正しなければ、憲法改正の中身について議論しないという立場だ。

 

しかし、国会法102条の6では「日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行い、憲法改正原案、日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案等を審査するため、各議院に憲法審査会を設ける」と規定している。

憲法審査会は、憲法改正原案などを作るために設けられているのであり、それに向けた議論をするのが責務だ。

 

そういう意味では、山尾氏の主張は正しいのだ。山尾氏発言の概略はこうだ。「憲法の中身についての自由討議を行うべきだ。ここにいる1人1人の議員が、政党の代表者ではなくて、選挙の支援者の代弁者でもなくて、全国民の代表者として自らの憲法観を語るところから始めるべきだと思う。そして自民党の方々は、この自由討議を、改憲4項目を説明したという形式的実績作りには利用しないと思うし、利用しないでほしいとお願いしたいと思う。一方で、手続きの議論が終わらない限り、一切中身に入れないというのもおかしいと思う。国民には自分たちの代表者を通じて、今、この現代における憲法の論点を知ったり、伝えたりする機会が保障されるべきだと思う。そして、その場はここ、憲法審査会しか、私は本来的な場所としてはないと思う」

 

山尾氏と言えば、安倍政権の批判の急先鋒だ。常日頃の噴飯物の国会質問もある。しかし、この山尾氏の主張は正論で、この意見を批判する立憲民主党の体質こそ、民主主義的ではないのだ。

11月7日の憲法審査会は2年ぶりの自由討議が行われた。野党の反対などでできなかったのだ。それに異論を唱えたのが山尾氏だ。何事も議論をするのが政治家の責務であるはずだが、立憲民主党はその責務さえ放棄していることに、内部からも批判が出ているのだ。

 

 

(terracePRESS編集部)