着実に進む一億総活躍社会づくり
安倍政権の看板政策の一つである「一億総活躍社会」。誰でも聞いたことはあるだろうが、中身となると、詳細に理解している人は少ないだろう。メディアが国民に伝えないのも原因の一つだが、それでは正当な評価することもできない。
一億総活躍社会とは、若者、高齢者、女性も男性も、障害や難病のある人々、一度失敗を経験した人、すべての人々が活躍できる社会のこと。経済成長の果実により、子育て支援や社会保障の基盤を強化し、それがさらに経済を強くするという「成長と分配の好循環」を生み出していく新たな経済社会システムづくりだ。
具体的には「ニッポン一億総活躍プラン」として「働き方改革」や「子育ての環境整備」「介護の環境整備」「すべての子供が希望する教育を受けられる環境の整備」「『希望出生率1.8』に向けた取り組み」「介護離職ゼロに向けた取り組み」「戦後最大の名目GDP600兆円に向けた取り組み」など、さまざまな政策課題が設定されている。
国民からすれば、こうした政策が実現すればとても喜ばしいことなのだが、実際にどのような進捗があるかは、なかなか分からないのが現実だ。
しかし、メディアは伝えないが、実際の取り組みは着実に進展している。例えば、保育の受け皿。2013年度から17年度末までの5年間で約53.5 万人分の保育の受け皿を拡大している。さらに18年度から20年度末までに32万人分を拡大する方針だ。
保育士の確保も重要だが、17年度予算ですべての保育士などへの2%の処遇改善をしているが、19年4月からさらに1%の改善を実施。これにより、13年度以降で月額約41,000 円の改善を実現している。
こうしたことなどから、2018年4月に19,895人だった保育の待機児童数は20年度末に解消する見込みとなっている。もちろん、幼児教育・保育の無償化も実施される。
介護の環境整備もそうだ。介護人材については技能や経験に応じて昇給する仕組みを構築し、月額平均1万円相当の処遇改善を行う取り組みを進め、09年4月以降、合計で月額5万7千円の処遇改善が実現している。
今後は、2020 年代初頭までに介護の受け皿を50 万人分以上へ拡大するほか、介護職員の一層の処遇改善を行い、リーダー級の介護職員について、他産業と遜色ない賃金水準、経験・技能のある介護職員に最大8万円の給与増を行えるような処遇改善を進める方針だ。
ここで紹介したのは、「ニッポン一億総活躍プラン」の進展度合いのほんの一部だ。働き方改革にしても、正規雇用者と非正規雇用者の不合理な待遇差の解消を目指し、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇、多様な働き方を自由に選択できるようにすることを目指し、同一労働同一賃金の法整備も進んでいる。
なかなか国民の耳目には届かないかもしれないが、日本の社会はすべての人々が活躍できるような社会に変わりつつあるのが現実だ。
(terracePRESS編集部)