三権分立も知らずに検察庁法改正案を批判する立憲・蓮舫氏
国家公務員の定年延長をめぐる国家公務員法の改正案について、SNSなどで反対する声が相次いでいる。正確に言えば、国家公務員法改正案に含まれる検察庁法の改正案についてなのだが、ここでもまた意図的なのか、知識不足なのか知らないが、政権批判のための批判が横行している。
国家公務員法改正案は、国家公務員の定年を2022年4月から2年ごとに1歳ずつ引き上げ、65歳とするものだ。同時に検察官の定年も63歳から65歳に延長することを可能にすることが決まっており、ここが検察庁法改正案に該当するわけだ。
これについて立憲民主党の蓮舫参議院議員が、ツイッターで「検察庁法改正案に反対の声を上げて下さい。この感染症の最中に三権分立を壊してはいけません」と投稿している。
蓮舫氏は知らないようだが、三権分立とは立法(国会)、行政(内閣)、司法(裁判所)の3部門が相互に抑制しあい、バランスを保つというもので、憲法第76条では「すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する」と規定しており、もちろん検察庁は司法権ではなく、行政権に属するものとなる。
だから、検察庁の定年を延長したとしても三権分立を侵害するものではないし、独立性を侵すものでもない。蓮舫氏はそんな初歩的な知識さえないままに、ツイッターで間違ったことを流しているのだ。
繰り返しになるが、国家公務員法の改正案は、国家公務員の定年延長を可能とするものだ。少子高齢化が進展し、人生100年時代になる中で、国家公務員の定年を延長することは働き方改革の一環だ。検察官も国家公務員であることは何ら違いなく、同様に定年延長を可能とすることは何も問題はない。
それに加え、この改正案が成立したとしても、法律の施行日は2022年4月1日だ。
また、検察庁の人事をめぐっては黒川検事長の勤務延長が決まっているが、これはすでに閣議決定されているため、この法律の成否とは関係がないのだ。
さらに、SNSなどでは、新型コロナウイルス感染症への対策が最重要課題となっている中で、あえて今、国家公務員法改正案の国会で審議する必要はないとの意見も散見されている。しかし、それはあまりにも近視眼的すぎるだろう。
こうした事態の中だからこそ、コロナ対策以外の政策も着実に実行していくことが重要なのであり、それが政府の役割だ。
SNSなどでは芸能人も、検察庁法改正案に反対する声を上げている。しかし、なぜ反対するのか、どこが反対する部分なのかも明らかにしちないところをみると、ただ単に踊らされているだけなのだろう。
(terracePRESS編集部)