「桜を見る会」 事実無視、歪曲…なんでもありの民放テレビ
民放テレビが情報番組などで、相変わらず「桜を見る会」の〝報道〟を続けている。これが正しい指摘ならまだしも、一方的な情報だけを報じるばかりか、事実をあえて無視したり、歪曲したり、なんでもありの状況だ。
民間放送連盟が1996年に定めた放送倫理基本綱領では「報道は、事実を客観的かつ正確、公平に伝え、真実に迫るために最善の努力を傾けなければならない」と規定しているが、そんな規定はどこ吹く風と言わんばかりの内容の〝報道〟が続いているのだ。これでは、視聴者をバカにしているにも同然だ。
例えば、「桜を見る会」に関連し、首相後援会が開いた前夜祭の会費が5000円だったことについて、立憲民主党が高級寿司店「銀座久兵衛」の寿司がふるまわれたことを根拠に「嘘」と決めつけ、それをそのままTBSやテレビ朝日の「あさチャン」「ひるおび」「グッドモーニング」などの情報番組が取り上げている。
久兵衛が寿司を提供したことを否定すると、この寿司問題は急速に話題にならなくなったが、テレビが事実確認をしないまま報じた結果、立憲のウソ情報は拡散されたのだ。
もっとひどいのが、TBSが11月25日に放送した朝の情報番組「グッとラック!」の「桜を見る会 業者は『お友達』?」と題したコーナー。
ここでは、桜を見る会のケータリング業務を行っているジェーシー・コムサという企業が、安倍首相夫人と親交があり、7年間も業務を独占していると報じているのだ。それも立憲民主党の蓮舫副代表の指摘を右から左にそのまま伝えている。
コーナー内では「やはり親交がある業者に頼んだんじゃないかというところが一つの疑惑として…」と「疑惑」という言葉を使いながら、あたかも首相夫人が介在したかのような印象を視聴者に与えている。
しかし、この企業は、安倍政権が誕生するずっと以前、20年以上前から受託しているのが真実だ。それも競争入札で決まっている。最近の7年間は独占状態といっても、2015年、2017年には複数の他社も入札に参加したのだが、結局は、その企業が受託している。
この入札は、一番値が安いところが落札する一般競争入札ではなく、企画内容を評価する企画競争入札で行われているのだが、何千人もの飲食物、それも焼き鳥のようなものを一挙に、そして環境面にも配慮しながら安全に提供できる企業はそうそうないのが実態で、その結果、独占的な状態になっているのだ。
その企業が20年以上前から提供していることは朝日新聞や毎日新聞も報じているが、民放テレビはそのような〝ウラ取り〟もしないままに、蓮舫氏のデマ情報をそのまま報じているのだ。
「テレビが報じているから正しいだろう」と思うのは大間違い。こうした民放テレビは視聴者をある方向へ誘導しようと躍起になっているのだろう。そこには「事実を客観的かつ正確、公平に伝え」などという姿勢はみじんもないのだ。
(terracePRESS編集部)