天に唾する予算委への出席要求

先ごろ開かれた参議院の予算員会で、立憲民主党幹事長の福山哲郎氏が首相出席の予算委開催を増やすべきだと主張、これに対し安倍首相が「世界で私はおそらく、最も圧倒的に多くの時間、国会の質疑に応じている」と反論した一幕があった。

 

この短いやりとりで明確になったのは、立憲の福山氏が、日本の国会がどれほど首相を出席させているかという基本的な事柄も知らなかったこと、さらに野党側の問題で充実した国会議論ができていないこと、この二つだろう。

 

事の始まりは、立憲民主党の福山哲郎幹事長が同委員会で「国政の重要課題をやりましょう。首相が出てこないから(議論ができない)じゃないですか」と述べ、首相出席の予算委員会を増やすよう要求したことだ。

 

これに対し、首相は「G7の首脳は、だいたい年間40時間ぐらい質疑しているが、私は200時間を超えて国会に出て、質疑に応じている」「まるで私がほとんど国会に出てきていないような議論をするが、それは違うと国民に示したい」と反論したものだ

 

国立国会図書館が昨年7月まとめた報告書によると、首相や大統領の国会(本会議・委員会)出席日数(延べ)は、日本が108日(2016年)、英国は38日(16~17年)、ドイツは6日(委員会は非公開。16年)。米国の大統領は1日(17年、一般教書演説のため両院合同委員会に出席)。これをみれば、日本の首相がどれだけ国会に出席しているか分かる。この報告書は国会議員向けに出されたもので、福山氏はこんな資料にさえ目を通さずに質問をしたのだろう。

 

さて、問題はそれにとどまらない。現実的に首相がこれだけの日数を割いて国会に出席しているのに、福山氏は「重要な課題の議論ができていない」などと主張しているのだ。

 

改めて指摘するまでもないが、国会の審議は委員会の委員が質問し、その質問に対して政府側が答弁する形式だ。特に予算員会は、委員がその気になれば、内政でも外交でもどのような質問もできるのだ。

そうでありながら福山氏は「重要な課題の議論ができていない」と言うのだ。

 

これはつまり、野党が、重要な課題の質問をしていない、そのことを示しているということだ。それはそうだ。揚げ足取りや重箱の隅をつつくような質問を繰り返していれば、重要な課題の議論は後回しになってしまう。その結果、野党自身が重要な課題の議論ができていないと思うわけだ。

 

首相は世界一、国会に出席しているのだ。それにもかかわらず、重要な質疑をしない野党。「もっと出席せよ」と首相に迫った福山氏のこの言葉は、天に唾する、まさにブーメランとなって野党に戻っていくのだ。

 

(terracePRESS編集部)