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2020.01.28

意図的に誤解させる〝カジノ〟報道

衆院議員の秋元司容疑者が収賄容疑で東京地検特捜部に逮捕された事件をめぐり、相変わらずテレビ局の意図的な報道が続いている。

例えば、テレビ朝日は23日の参院代表質問関連で「参院代表質問で安倍総理〝カジノ整備〟の推進を強調」と報道している。ニュースでは「立憲民主党の福山幹事長がカジノの撤回を求めましたが、安倍総理は引き続き進める方針を強調しました」とのコメントが冒頭にあり、その後、福山幹事長の質問映像になっている。しかし、福山氏は「IRの整備については、少なくとも捜査の状況がはっきりするまで立ち止まって白紙にすべきです」と質問しているのだ。

 

このような事件が起こるのは容認されるべきではないのは当然だが、そもそも汚職事件があったら事業自体もやめてしまえというのは暴論以外何者でもないのだが、それは措くとして、福山氏は質問で「IRの整備」と言っているのだ。

 

それにも関わらず、報道で「カジノ整備」と言い換えるのは、視聴者を一定の方向へ誘導しようという魂胆なのだろう。それ以外考えられない。

 

IRは「統合型リゾート」(Integrated Resort)のことで、国内外の観光客を呼び込むために、ホテル、レストランやショッピングモール、劇場や水族館などのエンターテイメント施設、国際会議場や国際展示場などの各施設を一体的に整備・運営しようというものだ。カジノの施設はその中に含まれるものだ。全体の施設の一角に過ぎないのだ。

 

前述したように福山氏の指摘は暴論なのだが、福山氏が求めているものはIR事業の中止だ。これに対し、テレビ朝日は「カジノ整備」と言っているのだ。これでは、福山氏が、エンターテイメント施設や国際会議場、国際展示場など各施設の中で、カジノ施設だけ取りやめるように求めたことになってしまう。福山氏の質問すら捻じ曲げているのだ。

 

安倍首相は当然のことながら、福山氏の質問に対して「IRはカジノだけではなく、国際会議場、展示場や大規模な宿泊施設を併設し、家族で楽しめるエンターテイメント施設として、観光先進国の実現を後押しするものと考えている。丁寧に策定作業を進めている」と、カジノだけではないことを強調している。

 

テレビ朝日のような例は、何も同局に限ったことではない。メディアはIR=カジノという図式だけで、国民にIR事業の実態を伝えようという姿勢はないのだ。

 

観光客の誘致を今後の日本を支える産業の一つにするためにどうするのか。IRは重要な戦略なのだが、残念ながら国民に伝わっていないのが実態だ。

 

(terracePRESS編集部)

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