「ピンチをチャンスに」との発想ない野党
緊急事態宣言が全面解除された。第2波の到来なども言われているが、それだけにこれからは「新しい生活様式」をどう定着させ、新しい日本をどう構築するかがカギとなる。そういう意味では安倍政権が主張しているように〝ピンチをチャンスに変える〟との発想が不可欠になる。政府批判や対症療法ばかりを口にする野党には、こうした取り組みはできないだろう。
政府はすでに4月7日にまとめた「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」で、 「今回の感染症拡大という危機をチャンスに転換し、将来の感染症リスクに対しても強靱な経済や社会の構造を築き、中長期的に持続的な成長の実現につなげていく」と表明している。
新しい生活様式は、①身体的距離の確保②マスクの着用③手洗いの励行―を基本として、買い物や食事、娯楽・スポーツ、冠婚葬祭など日常生活の様式の見直しや、テレワークやワークローテーション、時差通勤など働き方の新しいスタイルなどを提唱したものだが、これはまさに「感染症リスクに対しても強靱な経済や社会の構造」を構築するためのものだ。
政府もこれを深化させ、定着させるため、新型コロナウイルス感染拡大を受けた外出自粛や在宅勤務などに伴う国民の意識変化について緊急のウェブ調査を実施し、7月半ばに策定する経済財政運営の基本指針「骨太の方針」に反映させる方針で、新しい経済社会をどう作るかが政府の責務となる。
事実、日本生産性本部が20歳以上の雇用者1100人を対象に実施した調査によると、新型コロナウイルス感染拡大が収束した後も、テレワークを行いたいと思うか聞いたところ「そう思う」が24.3%、「どちらかと言えばそう思う」が38.4%と、約63%が今後もテレワークを行いたい意向を持っていることが判明しており、そのような国民の意向に応え、変えていくことが新型コロナにも強い社会を作ることになる。それが「新しい生活様式」だ。
しかし、どうも野党は「ピンチをチャンスに」という発想はできないようだ。そればかりか、政府が「緊急経済対策」に、新型コロナ収束後の観光・運輸業、飲食業、地域経済への支援を盛り込んだことを批判さえしていたのだ。
「新しい生活様式」にしても、国民民主党の泉政調会長が「各業界に大きな変容を要求するものになる。飲食店でも映画館でも、あらゆる業界でビジネスモデルが変われば当然単価、収益にすべて影響が出ることをどう受け止めるべきなのかを考える必要がある」などと批判するだけで、そこから新しいサービスを生み出すなどと言う発想は皆無のようだ。
(terracePRESS編集部)