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2022.07.29

物価の〝優等生〟になっている日本

物価高が依然として続いている。6月の消費者物価指数(総合)は2020年を100として101.8となり、前年同月比では2.4%の上昇となっている。物価高に見舞われているのは日本だけでなく世界各国も同様だが、日本の場合は先進各国などと比べても上昇率が格段に抑えられているという物価の〝優等生〟となっている。

 

「家計を直撃している」といったメディア報道などをみると、さも国民が物価の上昇に苦しんでいるかのような錯覚に陥る。確かに物価が上昇しているのは事実だが、今回の物価上昇はロシアのウクライナ侵略を契機にしたもので、政府の無策によって物価高が引き起こされているかのような批判は的外れだ。

 

現在の物価上昇は、ガソリン代、電気代、食料などが顕著だが、6月の前年同月比をみると、例えばガソリン代は米国が59.9%、英国が42.3%、ユーロ圏が32.8%上昇している中で、日本は12.2%の上昇にとどまっている。

電気代は、英国が53.5%、ユーロ圏の32.8%の上昇に対し、日本は18.0%だ。米国は13.7%と日本より上昇が抑えられているが、それでも日本の上昇が緩やかなことは間違いない。

食料も日本は3.9%の上昇だったが、米国、ユーロ圏、英国は10%前後の上昇率だった。

 

消費者物価上昇率(総合、5・6月)をみると、G20の中央値が8.2%なのに対し、日本は2.5%の上昇。これをみれば、日本の物価上昇が抑えられていることが分かるだろう。

 

こうした物価対策とともに、生活困窮者への支援なども着実に実施されている。例えば、​児童1人当たり一律5万円を支給する「令和4年度低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金」は2022年度予算の予備費から2,043億円を財源として、すでに788億円分を支給している。

 

また、物価高騰等に対応するための1兆円の特別枠を設置した地方創生臨時交付金では、低所得者への給付金の上乗せ、給食費支援等の個人向け支援や、地場産業支援金等の事業者向け支援など、地域の実情に応じた取り組みも行われている。

 

例えば、給付金の上乗せや横出しに活用され、北海道が「子育て世帯臨時特別給付金支給事業」、山梨県が「生活困窮者への緊急生活支援金給付事業」などを行っている。

 

また、浜松市の「学校給食費等の保護者負担軽減」、神戸市の「学校給食の食材費高騰対策」などのように学校給食費の支援があったり、堺市や福岡市などは公共料金の減免に取り組んでいたりする。

農業対策では三重県が「畜産農家への経営支援」、福岡県が「肥料の購入経費支援」などを行っている。

 

政府は、7月中に予備費を措置し、電気代負担の軽減や食料品価格の上昇抑制に対応する新たな枠組みを設けて取り組む方針だ。

 

日本が世界でも物価の〝優等生〟になっていることはほとんど報じられていない。もちろん、それでも物価が上昇していることは間違いないのだが、物価の上昇を緩やかにする一方で、今春闘のように賃上げでも成果を上げており、物価上昇の影響を最小限に抑えることができているのが実態だ。

 

(terracePRESS編集部)

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