自粛の効果は国民の協力がカギ
新型コロナウイルス感染症の感染拡大阻止のための特措法に基づく緊急事態宣言は、少なくとも不要不急の外出を控えることからスタートする。仕事などどうしても外出が必要な場合もあるだろうが、本来不必要な外出を自粛すれば、それだけ感染防止の効果が上がる。
では、実際の外出状況はどのようになっているだろう。
内閣官房のまとめによると、4月19日(日)午後2時時点の東京主要駅周辺の人の流れをみてみよう。東京駅周辺は宣言前の7日と比べると90.0%減、前日の18日(土)に比べると6.2%減だった。
新宿駅周辺は7日より80.6%減、前日より10.2%減、六本木駅周辺は7日より70.0%減、前日より15.2%減だった。7日は平日の火曜日だから、東京駅や新宿駅などの主要ターミナル駅周辺の人の流れを休日と比較するのは無理もあるが、それでも着実に減少していることは間違いないだろう。
これはスマホの位置情報を基にしたデータだが、JRや東京メトロなどのデータを見ると、人の動きが確実に減少していることを裏付けることができる。
4月15日(水)の各駅の改札通過人数の前年比をみると、東京駅は78.0%減、新宿駅は75.0%減、渋谷駅77.0%減、東京メトロ全駅70.0%減、大阪駅69.0%減、三ノ宮駅65.0%減、博多駅66.0%減などとなっている。
民放テレビなどをみると、いかにも政府の自粛要請が一方的で、感染防止対策が順調にいっていないかのような誤解を与えているが、これらのデータを見れば、国民が自粛要請に協力していることが分かるだろう。
そもそも、メディアには政府と国民が対立する存在であるかのような報道や番組もあるし、そういう言説を吐くコメンテーターもいるが、それは、メディアというよりはアジテーターでしかない。
戦う相手は新型コロナウイルス感染症であって、それ以外にはいないはずだ。そうした政府と国民が一丸となった態勢を作るのが、新型コロナの封じ込めの近道だ。
(terracePRESS編集部)