続く政府の生活困窮者支援
新型コロナウイルス感染症対策として政府はこれまで、休業などにより経済的に困っている人に対し多様な支援策を用意しているが、新たな対策として、経済的な困窮者に
家賃を補助する「住居確保給付金」の支給対象を拡大する。
メディアは大きく報じないが、政府は状況に応じてこうした対策を実施しているのが現実だ。
住居確保給付金はもともと、離職などにより経済的に困窮し、住居を失ったり、その恐れがあったりする人に住居確保給付金を支給し、安定した住居の確保と就労自立を図るための制度。
ただし、申請日に65歳未満で離職後、廃業後2年以内であることや、ハローワークに求職の申し込みをしていることなど受けるための要件があった。年齢要件は4月1日から撤廃されているが、さらに20日から収入が一定の水準まで減少した世帯も給付対象に加えた。新型コロナウイルスの影響で、失業や休職、収入が減ったフリーランスの人も対象となる。
ただし、収入要件と資産要件があり、東京都特別区を例にとれば、単身世帯は13万8000円、2人世帯は19万4000円、3人世帯の場合は24万1000円となる。
また、資産要件は、世帯の預貯金合計額が、単身世帯なら50万4000円、2人世帯は78万円、3人世帯は100万円以下となっている。
支給額の上限は居住地域の生活保護の住宅扶助と同程度で、東京都の場合なら単身世帯で月5万3700円、2人世帯で6万4000円、3人世帯では6万9800円。支給期間は原則3カ月間で、最長9カ月まで受給できる。
政府はこれまで、「雇用調整助成金」や労働者を雇用する事業者向けの「小学校休業等対応助成金」、委託を受けて個人で仕事をする人向けの「小学校休業等対応支援金」、「緊急小口融資・総合支援資金」、社会保険料などの猶予などさまざまな支援策を策定しているが、「住居確保給付金」の支給要件の緩和のように、状況に応じて既存制度を活用し、要件を緩和することで、幅広い支援ができるような対策を講じている。
新型コロナウイルス感染症対策で、多くの人が経済的な影響を受けていることは事実だ。しかし、政府が多様な支援策を策定しているのも事実なのだ。
民放テレビ番組のコメンテーターなどは、あたかも政府が無策のような情報を垂れ流しているが、こうした事実さえ知らないのだろう。
(terracePRESS編集部)