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普天間返還合意25年で事実に目をつぶる朝日

日米両政府が、沖縄県の米軍普天間飛行場の全面返還を発表してから25年。全面返還に至っていない理由は、名護市辺野古の代替施設の整備が進んでいないのが理由で、返還を実現するためにも一刻も早く代替施設を整備することが不可欠だ。朝日新聞は先ごろ「普天間合意25年 負担軽減の原点に戻れ」と題した社説を掲載し、相変わらずの実態を見ない空想論で代替施設の撤回などを無責任に叫んでいる。

 

社説は冒頭で「四半世紀たっても果たされない『約束』とは何なのか。日米両政府はこれ以上、展望のない現行計画に固執することをやめ、合意の原点に立ち戻って、真剣に打開策を検討すべきだ」と現在の日米両政府の取り組みを批判。

 

その上で、近く行われる菅首相とバイデン米大統領の日米首脳会談で、日米同盟の強化がアピールされることへの警戒感を示し「25年前の合意の原点を、首脳同士で確認するところから再出発してほしい。バイデン政権は、中国の権威主義に対し、民主主義の価値を前面に掲げる。民意を無視した辺野古強行で民主主義の価値をおとしめてはいけない」と結んでいる。

 

現在、民主主義を否定する中国がアジアでの軍事活動を強化しているが、朝日新聞は、そのような中国の覇権主義的な行動が民主主義を危険にさらすとは思っていないのだろう。

 

そして、驚くべきことに「この難題に向き合った首相は11人になる。合意をまとめた故橋本龍太郎氏や、沖縄でのサミット開催を決めた故小渕恵三氏ら、沖縄の苦難の歴史に思いをはせ、対話に心を砕いた首相もいた。しかし、第2次安倍政権以降の8年余は、知事選や県民投票で繰り返し示された辺野古ノーの民意を顧みることなく、問答無用のごり押しが続く。官房長官、首相として、一貫して意思決定の中枢にいた菅首相の責任は極めて重い」と書きながら、民主党政権時代に鳩山首相が、これまた現実を何も顧みることなく普天間飛行場の代替施設について「最低でも県外」などと言いだし、沖縄を大混乱に陥れたことには言及もしていない。

 

確かに、代替施設の工事は予想外の技術的な問題で遅延したが、鳩山氏が沖縄の民意をもてあそび、分断した結果が現在の状況につながっていることも確かなのだ。

 

普天間飛行場は①オスプレイなどの運用機能②空中給油機の運用機能③緊急時に航空機を受け入れる基地機能-という3つの機能を果たしているが、辺野古の代替施設に移すのは、このうちの「オスプレイなどの運用機能」だけで、②の「空中給油機の運用機能」については2014年8月、KC-130空中給油機15機全機の岩国飛行場(山口県)への移駐を完了。普天間飛行場の固定翼機の大部分は県外に移駐し、軍人、軍属、家族約870人も転出。また「緊急時に航空機を受け入れる基地機能」も築城基地、新田原基地に移すなど、普天間飛行場の機能の縮小は進んでいる。

 

朝日新聞はこうした事実に目をつぶり、現行計画を取りやめ、先行きさえ見通せない新たな未知を選択しろと主張しているのだ。鳩山氏同様、朝日新聞もまた沖縄県民をもてあそんでいるのだ。

 

(terracePRESS編集部)

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