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日本人の安全さえ無視する野党

政府は、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与の対策強化に向け、組織犯罪処罰法とテロ資金提供処罰法の改正を検討する方針だ。国際的に日本の法制度の不備が指摘されたことを受けた措置という。この組織犯罪処罰法が2017年に改正され、「テロ等準備罪」が新設された際は民進党、社民党、共産党など野党が反対し続けたが、実態を見れば野党お得意の〝反対のための反対〟だった。

 

組織犯罪処罰法は「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」の略称で、1999年に成立した。組織的に行われた殺人や詐欺事件などの犯罪に対する処罰強化や犯罪収益のマネーロンダリングの処罰、犯罪収益の没収・追徴などについて定めている。

 

ちなみに、特定危険指定暴力団「工藤会」の最高幹部2人に先ごろ、福岡地裁が死刑と無期懲役の判決を言い渡したが、2人は福岡県で一般市民が襲撃された4事件を指揮したとして、殺人罪や組織犯罪処罰法違反などに問われたものだ。もちろん、この幹部2人が問われた組織犯罪処罰法違反は「組織的な殺人未遂」だから、野党が問題にした「テロ等準備罪」ではない。

 

さて、2017年当時に野党が批判したその「テロ等準備罪」は、当時、野党が一方的に「共謀罪」と呼んだものだ。「テロ等準備罪」は、「組織的犯罪集団が重大な犯罪を計画し、その計画を実行するために準備行為をした」場合に該当するもので、これにより、実際に犯罪が実行される前に検挙し、被害の発生を未然に防止することができる。

 

国際的な「国際組織犯罪防止条約(TOC条約)」では、犯罪を実行することについての合意、または犯罪組織の活動への参加を処罰することを義務付けており、同条約に入るためには、テロのような組織犯罪について、実行に着手する前の計画・準備の段階で処罰することが求められた。日本はそれまで、それに対応する法制度がなかったために「テロ等準備罪」を新設したわけだ。

 

この「テロ等準備罪」が適用されるのはテロ集団や暴力団、薬物密売組織、振り込め詐欺集団など、重大な犯罪を行うことを目的としている集団を対象としており、一般の会社や市民団体、労働組合、サークル、同窓会などは、重大な犯罪を目的とした集団でないため対象にならないとされている。

 

しかし、それでさえも野党は「将来的に拡大解釈される恐れがある」などと主張。何も根拠のない一方的な解釈によって改正に反対し、国際的なテロリズム防止の潮流さえ無視したのだ。

 

アフガニスタンの混乱から邦人などを退避させるために、日本は自衛隊機をカブールに派遣した。情勢の悪化によって多くの対象人員を退避させることはできなかったが、共産党などはこの自衛隊機の派遣でさえ批判した。

 

「テロ等準備罪」にしても自衛隊機派遣にしても、野党はしたり顔で批判するが、実は日本や日本人の安全さえないがしろにしているのだ。

 

(terracePRESS編集部)

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