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朝日新聞が求める所得、法人、消費税の増税

2023年度予算編成に向けた概算要求の一般会計総額は約110兆500億円となった。過去最大だった22年度に次ぐ規模となった。財政規律の徹底を求める新聞などは批判を強めているが、そこには今こそ国民生活の安定や安全な国づくりを進めるべきという時代認識はないようだ。

 

朝日新聞は3日付けの「来年度予算 編成の困難さ直視せよ」と題した社説で、「社会経済の変化に対応する施策の予算は、確保しなければならないが、財政規律を顧みないようでは困る」と指摘し、今回の概算要求が財政規律の観点から緩みが生じているとの認識を示した。

 

その一方で、驚くべきことだが「要求の中身を厳しく査定するとともに、予算増に応じた財源を同時に確保するよう、強く求めたい」と指摘。

さらに、「脱炭素や少子化対応は重要な課題であり、予算増に異議はない。国際環境の変化に応じ、あるべき防衛政策の姿を議論する必要性も理解できる。だが、人口減の続く日本は大きな経済成長は見込みがたい。将来の税収増をあてに借金でまかなうのは、無責任だ。基幹税の増税と優先順位が下がった政策の見直しで、安定財源を確保することが求められる」と述べている。

 

この社説では、朝日新聞が、政府予算策定時に厳しい査定を求める一方で、財政需要が増すこと自体は前提にしており、その財政需要増を国債で賄うのではなく、増税をするよう提起していることが明白だ。

 

社説では「基幹税」と言っているのだから、その増税対象は「所得税」「法人税」「消費税」の基幹3税ということになるのだろう。

立憲民主党などは消費減税を主張しているが、そうした中で、朝日新聞が増税を打ち出すことは、現実に即した議論をする足がかりになるだろう。

 

ただし、この社説では「だが、人口減の続く日本は大きな経済成長は見込みがたい。将来の税収増をあてに借金でまかなうのは、無責任だ。基幹税の増税と優先順位が下がった政策の見直しで、安定財源を確保することが求められる」とも指摘している。

 

つまり、朝日の主張は、将来的に日本経済は人口減によって〝地盤沈下〟するから、将来に負担を求めるな、ということになる。

 

しかし、政治がもし「人口減の続く日本は大きな経済成長は見込みがたい」と断じてしまうのなら、それは政治の責任の放棄ということになる。

 

朝日新聞は新聞というメディアというお気楽な立場で「経済成長は見込みがたい」などと簡単にいうが、政府は将来の日本人が豊かで安全な社会で過ごせるように、今の政治を行っているのだ。

 

人口減社会の中でも持続的な経済成長を遂げる社会を構築するのが政府の責任であり、岸田政権は「新しい資本主義」という政策などで、それを実行していこうとしているのだ。

 

朝日新聞が増税の必要性を提起したのはいいにしても、実は「もう日本はダメだから将来に付けを回すな」と言いたいだけなのだ。

 

(terracePRESS編集部)

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