また混迷か? 立憲、国民の統一会派
立憲民主党と国民民主党が統一会派の結成に向けて動き始めた。しかし、早くも衆院だけか、衆参同時かで足並みが乱れているうえ、それぞれの党でも異論が出ている。民主党が解散後、野党は民進党、希望の党、国民民主党、立憲民主党など分裂や合流を重ね、混迷もしてきたが、今回も混迷、迷走するのだろうか。
そもそも、統一会派問題が注目を集めたのは8月2日に開かれた国民民主党の両院議員懇談会。ここで玉木代表が、次期衆院選に向け「大きな固まりをつくる」と述べ、立憲民主党に統一会派の結成を呼び掛ける意向を示したという。
このため、国民民主の玉木代表が立憲の枝野代表に統一会派結成を呼び掛けるのかと思ったら、あにはからんや、枝野代表が5日午後、玉木代表に「院内会派『立憲民主党・無所属フォーラム』に加わって、衆議院でともに戦っていただきたく、ここにお呼びかけさていただきます」と申し入れた。
玉木代表に先んじた枝野氏の申し入れは、〝野党内の主導権争い〟と言えるが、枝野氏はそもそも「永田町の数合わせに与しない」「政党の合従連衡には与しない」と発言していた党首だ。それが一転しての統一会派結成の申し入れだ。
枝野氏は記者会見で、その理由について「われわれとしては、結党以来有権者の皆さんに申し上げてきている基本的な姿勢が変わったとは思っていないが、そうした基本姿勢に基づいた政治を実現するために、特に国会におけるこの通常国会でも、与党の横暴という現実に対してしっかりとご期待をいただいている皆さんの声を反映した国会議論を進めていく上では、こうした戦い方が必要なフェーズに入った、ステージが変わったと思っているので、ご理解を得ていきたい」とほぼ意味不明な説明をしている。
どうにか理解できるのは〝立憲民主の会派に加われ〟という点だ。そして、それを母体に次期衆院選を戦うということだろう。そしてその先にあるのは、立憲民主を中心とした野党の再編ということになるだろう。国民民主からすれば、なんとも立憲民主にとって虫のいい話だ。
ところが、国民民主の玉木代表は「ありがたいご提案」と述べ、党に持ち帰って検討する考えを示したという。玉木氏はその後、「私たちは大きな固まりをつくっていこうと去年から呼びかけてきた。衆参両院で力合わせをしていこうとの認識で一致した」と述べ、あくまでも衆参両院での統一会派の結成を求める考えで、今後、どう調整するかが焦点となる。
結局のところ、立憲民主にとっては〝立憲民主の主張する政策を理解して協力してくれ〟、国民民主は〝党勢拡大がもはや限界の中で、今後の展開を考えざるを得ない〟というところなのだろう。
いずれにしても、それぞれの党内事情を優先させた有権者不在の数合わせである限り、野党お得意の混迷劇の幕開けかもしれない。
(terracePRESS編集部)