瞬殺された共産の野党連合政権構想
連合の神津会長が先ごろ、記者会見で、野党連合政権について「共産党とは目指す国家像が異なる」として、立憲民主党や国民民主党など連合が支援する政党が共産党と政権を作ることについて否定する考えを示した。
これは参院選後、共産党が野党各党に「野党連合政権構想」を国民に提示することを申し入れたことに対する回答と言え、共産党の提案が瞬殺された形だ。
共産党の申し入れは、立憲民主党、国民民主党、衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」、れいわ新選組に出した「野党連合政権にむけた話し合いの開始をよびかけます」と題する文書。
そこでは「私たちが直面する国政選挙は衆議院選挙であり、ここでは国政の進路とともに政権が直接争われることになる。この選挙で野党が勝利をおさめるためには、政権構想の合意は避けてとおることはできない」などとしている。
その上で「野党連合政権を正面からの主題にすえた話し合いをすみやかに開始することを、心からよびかける」と訴えている。
神津会長の発言はこの呼びかけに対する回答で、神津会長は記者会見で「共産党とは目指す国家像が全く違うので、立憲民主党や国民民主党と1つの政権を担うことは、理屈の上からありえない話だ。共産党は共産主義の国にしていくことが最大の目的だと思うので、一緒にスクラムを組んでやるということにはならない」と強調している。
神津会長の認識は正しく、まさに共産党は日本を共産主義国家にしようと考えている政党だ。共産主義国家が実現した暁には、国民の自由が奪われ、天皇制も廃止されるだろう。すでに国際的に失敗していることが明らかな社会主義経済が悪夢のように蘇り、国民の生活は破壊されるだろう。それが共産主義国家だ。
参院選では立憲や国民が共産党と共闘したが、そもそも、そのような思想を持っている政党と選挙協力すること自体が異常なのだ。
この神津会長の発言について、共産党の志位委員長が記者会見で、記者団から連合の神津里季生会長が、野党連合政権構想にかかわって「共産党とは目指す国家像が異なる」と発言したことについて問われ、「連合のみなさんと協力していくことを強く願っている。当面の問題では、連合のみなさんとも一致する点がたくさんあります。先々の問題では立場が違っても、協力してたたかっていきたい」となどと語っている。
「先々の問題では立場が違っても」とは、志位委員長自ら、「共産党とは目指す国家像が全く違う」「共産党は共産主義の国にしていくことが最大の目的」などと指摘した神津発言を認めたに等しいだろう。
連合の会長が、共産党の「野党連合政権構想」を否定したことになるが、それにしても申し入れられた立憲民主党や国民民主党はなぜ、真正面から否定しないのだろうか。
(TerracePRESS編集部)