先進国で最も少ない感染状況は評価されないのか?
政府の新型コロナウイルス感染対策が後手に回っているとの〝風説〟が出回っている。
14日のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」でも、共同通信の世論調査で安倍内閣の支持率は前回より5.1ポイント減の40.4%、不支持率が43.0%で支持率を上回ったことについて、コメンテーターでジャーナリストの青木理氏が「やっぱり全般的に後手後手に回っているというのが、世論も敏感に感じ取ってるということだと思う」とコメントしている。
「後手に回った」と無責任に断じているが、こうした評価が世論を誘導し、結果として、対策を懸命に行っている政府や専門家らの足を引っ張っているのだ。
そもそも、何を基準として、どう分析すると「後手に回った」と言えるのだろう。これまでの対策を評価するには、やはり死亡者数ではないだろうか。もし後手に回っていたとしたら、多数の犠牲者が出ていたはずだ。
世界保健機関(WHO)が13日に出したシチュエーションレポートによれば、日本の感染者は7255人、死亡者は102人となっている。
全世界では約170カ国・地域で感染者が出ているが、このうち日本より死亡者が多い国は35カ国だ。
日本と米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダのG7の先進国をみれば、日本の死亡者は断トツに少ない。米国20444人、イタリア19901人、フランス14373人、英国10612人、ドイツ2799、カナダ674人という死亡者数をみれば、日本の死亡者が少ないことは歴然としている。
G20参加各国をみても、日本より死亡者が少ないのは南アフリカ、オーストラリア、サウジアラビア、アルゼンチンの4カ国だけだ。
こうした、これまでの結果をみれば日本の感染拡大防止は、決して後手に回ったわけではないことが分かる。これまでは順調に行われてきたといえるのだ。もちろん、それは政府の対策だけでなく、国民の協力があってこその結果なのだが、こうした事実から目をそらすべきではない。評価できる点は、正当に評価されなければならないのだ。
言うまでもなく、日本でも102人の死亡者が出たことは事実で、極めて残念なことだし、正当化できるものではないが、日本のこれまでの感染拡大防止のための対策が他国に比べて実効性を確保してきたことは間違いないのだ。
メディアは各国の対策を引き合いに出しながら、意図的にかどうかは知らないが日本の対策を批判、貶めるような報道を続けているが、それ以前に、日本の感染拡大の防止策が他の先進国と比べて功を奏していることを国民に正しく知らせるべきだろう。
それすらしないままに、さらに緊急事態宣言の発出や経済対策をめぐり政府批判を続けけているのだから、一部のメディアは国民を誤った方向に誘導し、感染を拡大させる結果に加担していると思わざるを得ない。
(terracePRESS編集部)