日本の〝共に民主党〟は、単なる数合わせ
「共に民主党」と言えば、文在寅大統領を擁立した韓国の与党だ。その文政権は、旧朝鮮半島出身労働者、いわゆる元徴用工をめぐる大法院判決を放置し、日韓請求協定という国家間で結んだ国際法を無視しているばかりか、北東アジアの安全保障に寄与する、「日韓間の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決定するなど、理解しがたい対日政策を続けている。
ところで、日本では立憲民主、国民民主両党と、衆院会派の「社会保障を立て直す国民会議」が10月からの臨時国会前で衆参両院の共同会派を作ることで合意した。衆参で1701人を超える勢力になるという。
さて、言うまでもないが、この2党1会派は、あの悪夢のような民主党政権を作った旧民主党を源流としている。社会保障を立て直す国民会議の野田代表は首相だったし、立憲の枝野代表も要職を務めた。
そして統一会派の結成を合意した日に、無所属で活動していた安住淳氏らが立憲民主党に入党し、同時に立憲の国会対策委員長に就任した。
安住氏と言えば、菅政権で防衛副大臣、野田内閣で財務相などを務めており、こちらもやはり旧民主党の重要メンバーだった。
こうした状況をみれば、「野党の統一会派」などと言っても、実態は旧民主党勢力の再結集でしかない。つまり立憲も国民も社保も〝共に民主党〟というわけだ。
韓国の「共に民主党」を基盤とする文政権の韓国は現在、国内経済の悪化が懸念されている。文大統領は、韓国国内の雇用状況について「就業者が増えた」と胸を張ったが、実際は政府や自体の財政資金により高齢者の就業者を増やしたための〝水増し〟と言われている。
現実は、文政権がこの1年で最低賃金を29%引き上げたことにより、中小企業が経営を圧迫され、結局、失業者を増大させていると言われている。最低賃金の大幅引き上げという、まさに人気取り政策の結果なのだろう。
最低賃金の引き上げと言えば、立憲民主党は参院選で「家計所得を引き上げる」ことを公約の第一に掲げ、「5年以内に最低賃金を1300円に引き上げる」ことを打ち出した。
もちろん、最低賃金の引き上げは重要だ。事実、安倍政権では2019年度の最低賃金(時給)の引き上げ額を、全国の加重平均で27円引き上げ、901円とすることを決めている。引き上げ率3.09%で、3%以上の引き上げは4年連続となった。最低賃金はこのように着実、漸進的に上げるのが政治の責任だ。
立憲民主党は、家計所得さえ増やせば経済が成長すると考えているのかもしれないが、それが悪影響をもたらすことは韓国の状況をみても明らかだ。
振り返ってみれば、民主党政権は人気取りの政策に頼ったがために、国民生活を混乱に陥れた。残念ながら日本の〝共に民主党〟の人たちからは、その反省が見えてこない。
(TerracePRESS編集部)