「ためにする」は日本を駄目にする

「ためにする」という言葉がある。その意味は、ある目的を遂げようとする下心をもって事を行なう」ことだ。野党やメディアはこの「ためにする」が多すぎる。新型コロナウイルスの対策についてもそうだ。

 

安倍首相は先ごろ、まず153億円の対策を実施することを表明した。ウイルス薬の開発支援やマスクの増産といった費用を予備費などから支出するという。

予想通りというか、野党やメディアはこの予算が「少ない」「少ない」の大合唱だ。

 

共産党の小池書記局長は、同党の機関紙赤旗のインタビューで「政府が打ち出している予備費103億円を含む総事業費153億円では全く足らない」「アメリカでは大統領が約2800億円の予算措置を認めるよう議会に要求した。シンガポール政府は約5000億円、香港政府も約4300億円をそれぞれ経済的支援を含む対策費として投入すると発表している」などと語っている。

 

こうした主張はメディアも同様で、東京新聞も「新型肺炎 各国、大規模対策費 シンガポール5000億円 米国2700億円 日本153億円」との見出しで、米国、台湾、シンガポールなどの予算を紹介し、日本と比較している。

 

しかし、こうした主張の比較対象は単なる予算規模でしかない。それも各国事情が異なるのだ。例えばシンガポールは観光が重要な産業だから、経済対策が重要になっているのだろう。下支えしなければ、経済が急激に下振れしてしまう。

 

単純に予算額だけを比べて、日本政府の対応を批判するのは、まさに「ためにする」ものなのだろう。

日本は、そもそも大型経済対策を盛り込んだ約3兆1000億円の2019年度補正予算が成立している。もちろん、新型肺炎対策として策定した補正予算ではないのだが、経済を下支えする予算としては、近年ではなかった規模だ。そのうえで緊急対策として153億円を使うというのが政府の考え方だ。

 

さらに政府は、中手企業の資金繰りについて、日本政策金融公庫、沖縄振興開発金融公庫に対し、日本政策金融公庫のセーフティネット貸付制度を活用するよう要請している。

同貸付制度は、外的要因により一時的に売上が減少した事業者等を対象とする貸付制度で、貸付限度額は、国民生活事業が4800万円、中小企業事業が7億2000万円となっている。

 

また安倍首相は「総額153億円の緊急対策が不十分であるというのであれば、例えば予備費ということであればまだ2700億円程度以上あるわけだから緊急に対応していきたい」とも国会で表明している。

 

野党や一部メディアは、予算の額だけを単純に比べ、日本政府がやるべきことをやっていないというイメージを作ろうとしているだけなのだ。

 

 

(terracePRESS編集部)