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2020.04.16

緊急事態宣言の発出は決して遅くなかった

メディアの世論調査が相次いで報じられているが、緊急事態宣言の発出について「遅すぎた」と考えている国民が多いようだ。確かに、実際に医療崩壊の恐れといった発出がされれば、発出のタイミングが遅いと簡単に考えるが、実際に早い段階で宣言をしていれば「根拠もないのに私権の制限をする」との批判を招いていただろう。

 

では国民が考えるように、宣言の発出は遅かったのだろうか。この点については冷静に考えるべきで、感染拡大の状況や経済社会に与える影響などを考慮すれば、決して遅いわけではないのだ。

 

では、国民はどう感じているのだろうか。共同通信社が先ごろ公表した全国電話世論調査によると、緊急事態宣言について「遅すぎた」との答えが80.4%に達し、「適切だった」は16.3%にとどまった。

また、産経新聞とFNNの合同世論調査によれば、「遅すぎる」が82.9%となった一方、「適切だ」は12.4%だった。

 

政府の専門家会議が3月17日に出した見解では、3月上旬以降の日本全国の実効再生産数(1人の感染者が生み出した二次感染者数の平均値)は連続して1を下回っていた。

もちろん、この時点でも、オーバーシュート(爆発的患者急増) が始まっていた可能性も否定することはできなかったわけだが、この時点で国内での新規感染者数が若干減少していてことは事実だ。

このため、3月中旬までは政府が緊急事態宣言を発出することに対し、多くの国民が容認しなかったのではないだろうか。

 

では、その後はどう推移したのだろうか。3月31日に1日の新規感染者数が 100 人を超え、累積感染者数が2000人を超えた。特に東京都で78人、大阪府で28 人というように都市部で多くの新規感染者が確認された上、感染源(リンク)が分からない患者数が増加する傾向が出始めたのだ。

こうした結果、3月16日から4月1日 にかけての感染者数は817人から2,299人と急増し、倍化時間 (2倍になるまでの時間)は4.0日、感染経路の不明な患者数は40.6%となった。

 

そして4月6日になって新型インフルエンザ等対策有識者会議の「基本的対処方針等諮問委員会」が「政府として緊急事態宣言の準備をすべき」といった提言を行い、安倍首相が記者会見し、7日に宣言を発出することを表明したのだ。

専門家会議は感染者が増え始めた3月下旬から毎日、「累計の報告者数」「倍加時間」、リンクの追えない「孤発例の割合」の3つの指標についてフォローしていたが、その結果が、緊急事態宣言の発出の判断となったのだ。

 

世論調査で「宣言の発出は遅くなかったか」と問えば、多くの国民が「遅すぎた」と答え、それを安易に報じることによって政府がまさに後手に回ったかのような印象を与えることになる。そもそも、遅かった、早かったかを問う質問を国民にすることにどのような意味があるのだろう。

現実には、政府は感染の拡大状況を丹念に分析しながら、国民への影響を考慮しながら、ぎりぎり遅すぎず、早すぎもしない判断をしたのだ。

 

(terracePRESS編集部)

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