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2020.06.12

少子化は新型コロナに匹敵する国難

厚生労働省が先ごろ公表した人口動態統計によると、2019年の合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子どもの数に相当)は1.36で前年を0.06ポイント下回り、4年連続の低下となった。2019年の出生数は86万5234人。前年に比べると5万3166人減となり、1899年の統計開始以来、最も少ない出生数となった。

 

一方、死亡数は138万1098人で戦後最多。死亡数から出生数を引いた自然減は51万5864人となり、減少幅は過去最大となった。

 

新型コロナウイルス感染症はまさに急性の疫病だが、少子化を病気に例えれば徐々に体力を奪う慢性疾患だ。人口が減り続ければ、経済力は縮小し、国民の生活を維持することが難しくなってくる。少子化は新型コロナに匹敵する、否、それを上回る〝国難〟だ。

 

その国難に対処するため、政府はすでに今後5年間の少子化対策の指針となる政府の「少子化社会対策大綱」を策定している。今回は04年、10年、15年に続く第4次の大綱となる。

 

若い世代の結婚、子供の数に関する希望がかなうとした場合に想定される出生率を「希望出生率」というが、現状を一定の過程で計算すると「1.8」となる。

現実の出生率は「1.36」だから、これを「1.8」まで引き上げることが、現在の政府の課題となる。

 

そのため大綱は、各種結婚支援や保育人材確保などによる待機児童ゼロの実現、育児休業給付金や児童手当の拡充、不妊治療の経済的負担軽減などさまざまな対策を盛り込んでいる。

 

その少子化対策について、朝日新聞は3日朝刊に「少子化大綱 政権の本気度を示せ」と題した社説を掲載している。そこでは「日本は先進諸国の中で、この分野への支出がそもそも手薄だ。若い世代への支援は未来への投資でもある。目の前の経済、雇用の立て直しが重要なのはもちろんだが、将来を見すえた議論からも逃げるべきではない」などと述べている。

 

児童手当や出産手当金、就学援助などを「家族関係社会支出」と呼ぶが、確かに日本はこの支出のGDP比が1.3%程度で、英国の3.57%、スウェーデンの3.54%、フランスの2.28%などと比べると低いのは事実だ。ちなみに米国は0.65%で日本より格段に低い。

 

しかし、この「家族関係社会支出」は国民負担率と正の相関にあり、国民負担率が高いと家族関係社会支出のGDP比が高くなる。事実、フランス、スウェーデン、ドイツなど軒並み国民負担率が50%以上となっている。

 

朝日新聞は「将来を見すえた議論からも逃げるべきではない」と述べているが、朝日自身があえて国民負担から目をそらして「投資が少ない」と批判するのは、実は、真正面から論じていない証拠なのだ。

 

 

(terracePRESS編集部)

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